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「近く、退職する予定がないので退職金は個人再生の手続きに無関係」と思われる方もいますが、予定がなくても退職金は個人再生の手続きに関係します。
結論としては、個人再生をしても退職金が没収されることはありませんが、金額によっては最低弁済額に影響します。
この記事では、個人再生における退職金の扱いと、手続きに必要な退職金見込額証明書の取得方法について詳しく解説します。
この記事を読んでわかること
目 次(更新:2026年4月1日)
8. まとめ
個人再生は自己破産とは異なり、財産を処分する必要がない手続きです。そのため、退職金が没収されることはありません。
ただし、退職の予定がない場合でも、退職金の存在は個人再生の手続きに影響します。具体的には、返済すべき最低額(最低弁済額)の計算に関わってくるのです。
個人再生では、借金を大幅に減額できますが、返済額は「最低弁済額」と「清算価値」のいずれか高い方が基準となります(小規模個人再生)。
清算価値とは、「現在持っている財産をすべて処分したと仮定した場合に、債権者へ返済できる金額」のことです。
退職金はこの清算価値に算入されるため、退職金が高額であるほど、最低返済額が引き上げられる可能性があります。
退職予定がなくても財産として扱われるため、手続上は「今、自己都合で退職したとしたらいくら退職金がもらえるのか」を調べる必要があります。
そして、その金額が財産として扱われ、個人再生の最低弁済額に影響します。
個人再生をしたら多くの場合は借金は5分の1まで減額できます。
(たとえば、600万円は120万円に減額)
しかし、これには例外もあります。
(個人再生で多く利用されるのは、小規模個人再生手続です)
| 債務総額 | 個人再生後の返済基準額 |
| 100万円未満 | 全額 |
| 100万円以上500万円以下 | 100万円 |
| 500万円を超え1500万円以下 | 5分の1 |
| 1500万円を超え3000万円以下 | 300万円 |
| 3000万円を超え5000万以下 | 10分の1 |
上記の最低返済額の基準以外にも、清算価値を下回ってはいけないというルールがあります。
これは「持っている財産を売却等処分したと仮定したら債権者に返済できる金額を①の最低返済額が下回ってはいけない」というルールです。
たとえば、①の最低弁済額なら600万円は120万円に減額できるが、②清算価値が200万円なら600万円は200万円までしか減額できません。
これは、給与所得者等再生の場合に加算される要件で、可処分所得の2年分は最低でも返済しないといけないという要件です。
たとえば、①の最低弁済額なら600万円は120万円、②清算価値が200万円、③可処分所得の2年分が250万円なら、600万円は250万円までしか減額できません。
可処分所得の2年分とは?
2年間の収入額から所得税・住民税・社会保険料を控除した額を2で割った額から、1年分の本人と被扶養者の最低限度の生活費(算出方法は政令で定められています)を除いた額の2年分。
個人再生では、近く退職する予定がなくても退職金の額が清算価値に影響します。
清算価値とされる退職金の額はケースによって異なりますので、3つのパターンに分けて説明します。
①退職の予定がないケース
②退職して退職金が支給される前のケース
③退職金が支給済みのケース
まず、退職金は再生計画の認可決定時を基準として清算価値がいくらか判断されます。
| 清算価値 | |
|---|---|
| 退職の予定がないケース | 退職金見込額の8分の1 |
| 退職済みで支給前 | 退職金見込額の4分の1 |
| 退職済みで支給済み | 全額(預金として扱う) |
退職の予定がない場合、「現時点で自己都合退職したとしたらいくらになるか」という退職金見込額の8分の1が清算価値として算入されます。
なお、20万円以下となる場合は清算価値に含めない裁判所が多いです。
計算例
現時点での退職金見込額が1,000万円の場合、清算価値は125万円(1,000万円÷8)になります。
●確定拠出年金はどう扱われる?
最近では、従来の退職金制度に代わって確定拠出年金を導入している会社が増えています。
確定拠出年金は退職金とは異なる扱いとなり、清算価値には含まれません。
そのため、個人再生の最低弁済額への影響はありません。
勤続年数が長く退職金が高額になる方や、定年退職が近い方は事前に確認しておきましょう。
清算価値が高くなると、その分だけ最低返済額や毎月の返済額も上がります。
具体例
借金総額が600万円の場合、通常の最低弁済額(5分の1ルール)では120万円(毎月3.3万円)の返済となります。
しかし、退職金見込額が1,600万円あり、8分の1の200万円が清算価値として算入された場合、返済額は120万円ではなく200万円(毎月5.6万円)に引き上げられます。
その結果、毎月の返済額も約3.3万円⇒5.6万円になります。
退職時期や申立てのタイミングなども含め、専門家へ相談することが重要です。
会社によっては、証明書の発行に対応していないケースや、事情があって依頼しにくいケースもあるでしょう。
その場合でも、「もらえなかった」では裁判所は認めてくれません。
代替手段で退職金の額を証明する必要があります。
退職金見込額証明書が取得できない場合は、以下の書類を収集し、自分で退職金を算出します。
退職金の計算式が「退職時の基本給 × 勤続年数 × 支給率」のようにシンプルであれば、自己計算が可能です。ただし、人事評価のポイントなどが加味される複雑な計算式の場合は、就業規則だけでは算出できないこともあります。その場合は、評価基準がわかる書類を会社から入手するか、計算を会社に依頼する必要があります。
バレます。
退職金が無い場合は、その旨がわかる書類も提出する必要があります。また、嘘が発覚した場合は、個人再生が認められない可能性が高くなるので正直に申告しましょう。
多くはありません。
当事務所で扱った多くの人は、退職金見込額証明書ではなく「就業規則の退職金規定」で計算ができていますので、会社に証明書の発行を依頼せずに済むことも多いです。
個人再生の手続きで、退職金以外で書類が必要なケースはそれほど多くはありません。
代表例
黒川聡史(司法書士法人黒川事務所 代表司法書士)
東京司法書士会所属:登録番号第4230号
簡裁代理権認定司法書士:法務大臣認定第501067号
行政書士(登録番号第19082582号)
ファイナンシャルプランナー(CFP®:1級FP技能士)
経歴: 平成19年に個人事務所を開業。債務整理を中心に12,000人以上の依頼者を解決。現在は事務所を法人化して活動
著書に『借金の不安が楽になるお金の話』『FPに知ってほしい借金の話』がある
司法書士法人黒川事務所は、債務整理(任意整理・時効援用)などを専門に扱う司法書士事務所です。これまでに18年以上の実績があり12,000人以上を解決に導きました。
企業理念は『あなたの借金問題解決を低料金でサポートしたい!』です。
業界トップクラスの安い費用であなたの借金問題解決を全力でサポートします!
もちろん相談無料で費用は分割払いにも対応しています。
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代表者 黒川聡史
東京司法書士会所属
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