リボ払い地獄を抜け出すには？苦しいときの救済制度も解説

リボ払いとは、クレジットカードの利用金額にかかわらず、一定額を毎月支払っていくものです。

ここでは、リボ払いの仕組みをはじめ、リボ払いのメリット・デメリットや注意点について解説します。

ほとんどのクレジットカード会社では、「元利定額残高スライド方式」を採用しています。

元利定額残高スライド方式は、支払い残高に応じて毎月の支払い額が増減する方式です。毎月の支払いは、残高に応じた「元金＋手数料」の一定額となります。

毎月の支払額の一例は以下のとおりです。

支払い残高10万円未満：月々の支払額1万円（元金＋手数料）

10万円以上20万円未満：月々の支払額2万円（元金＋手数料）

返済当初は返済額に占める手数料の割合が高く、返済を進めていくごとに元金の割合が高くなっていきます。

また、残高が少なくなるにつれ毎月の支払額も少なくなるため、返済が長期化しやすい傾向にあります。

リボ払いのメリット・デメリットは以下のとおりです。

【メリット】毎月の返済額を一定にできる

例えば10万円のバッグを購入する際、「一度に支払うのが難しい」「手持ちが足りない」ということもあるでしょう。

ですが、毎月1万円の支払いであれば購入できる人もいるのではないでしょうか。

リボ払いは毎月の返済額が一定のため、支払いが重なった時でも支払い額の変動を抑えることができます。

【デメリット①】手数料が発生する

リボ払いの手数料はクレジットカード会社によっても異なりますが、年率15%程度に設定されています。

分割払いの手数料は年率12.25%程度であり、リボ払いの手数料は他の支払い方法よりも高く設定されています。

例えば、年利15%でリボ払いの残高が50万円、月々15,000円の返済の場合、完済までにかかる手数料の合計は約15万円にもなります。

【デメリット②】返済が長期化し、リボ払い地獄に陥ることも

残高に対して毎月の返済額が少ないと、返済が長期化しリボ払いがいつまでも終わらない「リボ払い地獄」に陥ります。

一度リボ払い地獄に陥ると、リボ払いの返済を他からの借り入れで賄ったり、生活費を別のクレジットカード会社のリボ払いで賄ったりと、借金のループから抜け出せなくなります。

支払いが間に合わずどうしてもリボ払いを使う場合は、必ず利用残高を確認しましょう。

「返済しているから残高は減っているはず」と思っていたら、無計画に利用していて気付けば残高が限度額に達しているケースも少なくありません。

残高はクレジットカード会社のwebやアプリで確認することができます。定期的に残高を確認し、リボ払いを使う時はどうしてもの時だけにしましょう。

デメリット①で示した通り、リボ払いの手数料は年率15%程度と高く設定されています。

残高が多いほど手数料も高くなり、さらに支払いが長期化するほど支払う手数料も多くなります。

また、多くのクレジットカード会社で採用されている「元利定額残高スライド方式」では、返済当初は返済額に占める手数料の割合が高くなります。

「返済額のほとんどが手数料にあてられていて、元金がなかなか減らない」という事態になり、リボ払い地獄に陥ってしまうのです。

自動リボ設定で残高が膨れ上がり、リボ払い地獄に陥ることがあります。

自動リボとは、あらかじめ設定をしておくことで、クレジットカードの利用分がすべて自動でリボ払いになるサービスです。自動リボは、店頭で1回払いを選択してもリボ払いになります。

クレジットカードの初期設定が自動リボになっているケースや、自分で気付かないうちに自動リボ設定をしているケースがあります。

中には「リボ払いの限度額に達してから初めて自動リボ設定になっていることに気付いた」という人もいます。

新しくクレジットカードを利用する際は、必ず自動リボの設定を確認するようにしましょう。

また、定期的にクレジットカードの利用明細を確認し、リボ払いになっていないか注意して見ることが大切です。

リボ払いは利用額と返済額が一致しないことから、支出が把握できなくなってしまいます。

「返済額が一定だからいくら使ってもOK」だと思い、金銭感覚が麻痺して使いすぎてしまう人もいます。

その結果、リボ払いの残高が膨れ上がり、リボ払い地獄に陥ってしまいます。

むやみにリボ払いを選択せず、リボ払いでないと購入できないものはお金を貯めてから購入しましょう。

返済計画を立てていないと、リボ払い地獄から抜け出すことができません。

「負担を少しでも減らしたい」と思い、毎月の返済額を低く設定していると、いつまで経っても完済できません。

当然ですが、毎月1万円の返済よりも毎月3万円の返済の方がリボ払いを早く完済できます。

『毎月の収入ー毎月の支出額＝リボ払いの返済可能額』となります。収入と支出を洗い出し、リボ払いの返済にいくら回せるかを把握することが大切です。

一時的な理由でリボ払いの返済が厳しくなった時は、クレジットカード会社に連絡してリボ払いの返済金額を変更しましょう。

ただし、返済額を少なくするとその分返済期間が長くなり、支払う手数料も多くなるため注意が必要です。

急な出費などで一時的に返済が厳しくなっただけであれば、返済できるようになった時点ですぐに返済額を上げるように心がけましょう。

返済金額の変更期日はクレジットカード会社によって異なりますが、期日の直前や過ぎてしまった場合は対応できない可能性があります。返済が厳しいとわかったらなるべく早めに連絡することが大切です。

クレジットカード会社にリボ払いの返済について連絡する際は、あらかじめ以下の情報を用意しておきましょう。

• リボ払いの返済が難しくなった原因
• いつまでなら返済できるのか
• いくらまでなら返済できるのか

金利の低い銀行のカードローンなどで借りたお金を使ってリボ払いを一括返済すると、リボ払いで発生する手数料を抑えられます。

ただし、借金の借り換えはいわば「借金を借金で返す」ことであり、借金が一気に減るわけではありません。

それどころか、借り換えによって返済期間が長くなり、借り換え前よりも総返済額が増える場合もあります。

また、リボ払いの滞納があると、信用情報機関に事故情報が登録されます。事故情報が登録されると、新たな借り入れはできないため注意が必要です。

借金の借り換えをしても借金地獄から抜け出すことはできないため、あまりおすすめの方法とはいえません。

リボ払いの返済が厳しい場合は、弁護士や司法書士、公的機関などに相談することで一気に解決できる可能性があります。

公的機関には、法テラスや日本貸金業協会などがあります。法テラスとは、国が設立した法的トラブルを解決する機関です。利用には一定の収入基準があり、単身者の場合は手取り月収が18万2000円以下となっています。

日本貸金業協会では、公平中立な立場からの適切なアドバイスや、他の相談機関の紹介などを行っています。

当事務所では、借金・リボ払いに関する無料相談を承っています。リボ払い残高などの状況を教えていただければ、専門的な立場から解決方法をアドバイスします。

任意整理とは、弁護士や司法書士が債権者（消費者金融や信販会社）と交渉し、借金の今後の手数料（利息）を免除や減額してもらう手続きです。

手数料（利息）の負担が大きいリボ払いは、任意整理が最も多く利用されています。

任意整理をすることで、リボ払いの高い手数料負担をなくし、リボ払い残高が減らないという問題を解決することができます。

ただし、任意整理後も返済は続くことから、一定の収入がある人が対象となります。返済期間は、一般的に3～5年となります。

その他の救済制度として、「個人再生」「自己破産」があります。

この２つの手続きは任意整理の交渉とは違い、裁判所を通して行います。

個人再生とは、借金の一部を返済した上で残りを免除してもらうものです（多くのケースでは5分の1まで減額することが可能です）。

借金を大幅に減らせる点では任意整理と同じですが、個人再生では利息だけでなく借金の元本も減額することができます。

自己破産は、借金を免除してもらう手続きのことです。

任意整理が難しい人、決まった収入がない人（支払い不能）、高額な財産（住宅など）がない人などが対象となります。

任意整理によってリボ払い地獄を抜け出したAさんの事例を紹介します。

【任意整理前】

リボ払い残高（総額）：180万

月々の返済額：11万

借り入れ社数：6社

【任意整理後】

月々の返済額：3.5万

Aさんは、収入の大半をリボ払いの返済にあてており、生活費が足りなくなることでリボ払いを繰り返していました。また、手数料の割合が高く、元金が減らない状況に陥っていました。

任意整理によって毎月の返済額は1/3に抑えることができ、リボ払い地獄から抜け出すことができました。

この記事では、リボ払い地獄に陥る理由をはじめ、リボ払いの返済が厳しい時の対処法やリボ払い地獄を抜け出す救済制度について解説しました。

ポイントは以下の3つです。

• リボ払いは手数料が高く、支払いが一定のため使いすぎてしまうことからリボ払い地獄に陥りやすい
• リボ払い地獄を抜け出す救済制度とは、債務整理のことである
• 任意整理によってリボ払い地獄を抜け出すことができる

当事務所では、業界トップクラスの低料金でリボ払い返済問題解決のサポートをします。お気軽にご相談ください。