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カードローンとフリーローンの違い「借金がある人に知ってほしいお金のはなし」

年間で1000人以上の依頼を受ける司法書士とファイナンシャルプランナーが解説する「借金がある人に知ってほしいお金の話」。

今回は、カードローンとフリーローンの違いについて詳しく説明します。

ただし、これらのローンを推奨しているわけではありません。借りる際のリスクや、最適な選択肢を知ることで「借りない選択」を含めた判断をサポートすることを目的としています。

カードローンとフリーローンの違い

カードローンとフリーローンの違い

カードローンとフリーローンの違い

ローン商品にはさまざまな種類がありますが、その中でも特に多く利用されているのがカードローンとフリーローンです。

 

これらは同じ「ローン」というカテゴリに属していますが、その仕組みや利用目的に大きな違いがあります。

これらの違いを理解することは、借り過ぎを防ぎ、健全な家計管理を行う上で非常に重要です。

カードローンの特徴

カードローンの特徴

カードローンは、予め設定された「利用可能枠」の範囲内で、繰り返しお金を借りることができるローン商品です。

 

この利用可能枠は、審査を通じて決定されます。たとえば、100万円の利用可能枠が設定された場合、その範囲内で何度でも借り入れが可能です。

最初に10万円を借り、その後さらに借り入れることも、初めから全額の100万円を借りることも自由です。

 

返済額は、借り入れた金額に応じて毎月決まります。たとえば、10万円を借りた場合と100万円を借りた場合では、毎月の返済額は大きく異なります。

返済期間中に再度借り入れを行うことができるため、必要に応じて柔軟に利用できる点が特徴です。

フリーローンの特徴

フリーローンの特徴

一方、フリーローンは「証書貸付」という形式で提供されるローンです。これはカードローンのように利用可能枠が設定されるのではなく、最初に必要な金額を一括で借りる点が特徴です。

 

そのため、借り入れは一度限りで、以後は完済に向けて一定の返済を続けることになります。

 

契約時に、返済期間と毎月の返済額が決定されます。

たとえば、100万円を借り入れた場合、その後は契約時に定められた金額を毎月支払い続け、最終的に完済します。

返済期間や総支払額が明確に定められているため、計画的に返済を進めることができます。

比較表
  カードローン フリーローン
利息 フリーローンより高い カードローンより低い
借入できる回数 限度額内なら何度でも 1回
小口向け:大口向け 小口向け 大口向け
お金の管理のしやすさ しにくい しやすい

利用用途に応じた選択

どちらのローンを利用すべきかは、必要な金額や用途によって異なります。

 

例えば、急に数万円が必要で、複数回にわたって少額を借りたい場合は、繰り返し利用できるカードローンが適しています。

ただし、カードローンの金利は通常18%程度と高めです。少額であれば、早めに返済を完了することで、金利負担を最小限に抑えることができます。

 

一方で、医療費や教育費、引越し代などでまとまった金額が必要な場合は、フリーローンが適しています。フリーローンの金利は、借入額や審査によって異なりますが、場合によっては5%程度とカードローンに比べて低めです。

カードローンのCMが多い理由

テレビCMでカードローンを目にすることが多いのに対し、フリーローンのCMはあまり見かけない理由についても考えてみましょう。

これは、どちらの商品がより利益を生むかという点に起因します。

 

カードローンは利用限度額内で繰り返し利用できるため、利用者が借り続ける限り利息が発生します。完済してもカードを解約しなければ、再度借り入れることができ、利息収入が継続します。

そのため、カードローンは金融機関にとって利益を生む可能性が高く、広告に力を入れる理由がここにあります。

 

一方、フリーローンは契約時に返済額と利息が確定しており、完済すれば契約が終了します。利益が計画通りに確保できる一方、繰り返しの借り入れがないため、追加の収益は見込めません。このため、広告が少ないのです。

カードローンのリボ払いの危険性

カードローンは便利な反面、使い方を誤るとリボ払いの罠にはまる危険があります。

 

リボ払いとは、利用残高に応じて毎月の支払い額が決まる返済方法ですが、借入と返済を繰り返すことで残高がなかなか減らず、利息の支払いが長期化することがあります。

 

このような状況に陥ると、毎月の返済がほとんど利息に充てられ、元金が減らないため、永遠に返済が終わらないという事態に陥ることもあります。

さらに、複数のカードローンを利用すると、完全に自転車操業状態となり、返済のために新たな借り入れをするという悪循環に陥る可能性があります。

 

このような場合は、早めに債務整理を検討する必要があります。

リボ払いのリスクを避けるためのアドバイス

リボ払いは避ける

最後に、リボ払いのリスクを避けるためのアドバイスをします。

債務整理を検討する場合、任意整理によって将来の利息をカットしてもらえる可能性があります。

カードローンやフリーローンのどちらであっても、任意整理には一定のメリットがあります。

 

ただし、フリーローンの場合、高額の借り入れには保証人が必要なことがあり、保証人に迷惑がかかる可能性があるため、事前に確認が必要です。

 

また、任意整理は通常、36回から60回払いで行われるため、高額なフリーローンを任意整理すると返済額が増える場合があります(ただし、総支払額は減少することが一般的です)。

カードローンやフリーローンを利用する際は、しっかりと返済計画を立て、無理のない範囲で利用することが大切です。

この記事の執筆者

執筆者 司法書士黒川聡史

黒川聡史(司法書士法人黒川事務所 代表司法書士)

東京司法書士会所属:登録番号第4230号

簡裁代理権認定司法書士:法務大臣認定第501067号

行政書士(登録番号第19082582号)

ファイナンシャルプランナー(CFP®:1級FP技能士)

経歴: 平成19年に渋谷で個人事務所を開業。債務整理を中心に10,000人以上の依頼者を解決。現在は事務所を法人化して渋谷、上野、横浜、大阪の4拠点で活動

著書に『借金の不安が楽になるお金の話』『FPに知ってほしい借金の話』がある

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東京司法書士会所属
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