平日10時~19時30分
土日10時~17時00分
(祝日休み)
「自己破産すると年金を受け取れなくなるのでしょうか?」
「年金保険料を滞納しているのですが、自己破産すると払わなくてよくなるのでしょうか?」
こういったご相談を受けるケースが少なくありません。
自己破産しても「公的年金」は受け取れますが、私的な「個人年金」などは受け取れなくなる可能性があります。
今回は自己破産と年金の気になる関係について、FP資格を持った司法書士が解説します。年金について不安がある方はぜひ参考にしてみてください。
この記事を読んでわかること
まずは「自己破産しても年金を受け取れるのか」という疑問に答えていきます。
ひと言で「年金」といってもたくさんの種類があります。年金の種類のよって自己破産後も受け取れるかどうか異なるので、以下では年金の種類ごとに受け取りの可否を説明します。
年金といえば「公的年金」を思い浮かべる方が多いでしょう。
公的年金とは、法律によって加入が義務付けられる年金です。
以下のようなものが該当します。
国民年金
すべての方に支給される基礎となる年金です。加入するのは主に自営業や無職の方です。
国民年金は自己破産しても影響を受けず、全額を受け取れます。
厚生年金
厚生年金とは、企業や事業所に勤めている方が加入できる年金です。
厚生年金に加入する場合、国民年金に加算した金額を受け取れるので、国民年金より受取金額が上がります。
厚生年金についても自己破産による影響はなく、破産しても全額が支給されます。
公的年金の種類
公的年金には以下のような種類があります。
・老齢年金
所定の期間を超えて年金保険料を払った方が一定年齢を超えると受け取れる年金です。
一般に「年金」という場合、老齢年金を意味するケースが多数となっています。
・障害年金
身体障がいや精神障がいを抱えたときに支給される年金です。
・遺族年金
配偶者を亡くしたときに受け取れる年金です。
公的年金については自己破産をしても没収などされることはなく、全額の支給を受けられます。
現在、老齢年金や障害年金、遺族年金などを受給している方も、安心して自己破産の手続きをしましょう。
企業年金とは、退職後に備えて積み立てる年金で、主に「確定給付型」と「確定拠出型」があります。
・確定給付型企業年金(DB)…将来「受け取れる金額」があらかじめ決まっているタイプ。運用実績に左右されません。
・確定拠出型企業年金(企業型DC)…「積み立てる金額」が決まっていて、将来の受取額は運用実績で変わるタイプ。近年は本人が運用するこの型が増えています。
これらの企業年金は、自己破産による影響を受けず、受け取り時期が来れば全額受給できます。
個人事業主や会社経営者が自身の退職金の積立として加入している小規模企業共済や、個人で加入するiDeCo(個人型確定拠出年金)は、自己破産をしても処分されません。
これらは法律で差押えが禁止されているからです。
企業年金には、厚生年金基金や中小企業退職金共済(中退共)に加入している方も少なくありません。
厚生年金基金は、厚生年金に上乗せして支給される企業年金で、自己破産による影響は受けません。
中退共も、中小企業の従業員のための退職金制度で、給付を受ける権利は差押えが禁止されています。
いずれも、将来の受け取りが自己破産で失われることはありません。
公務員の方は、公務員共済にて年金に加入しているのが一般的です。
公務員共済も自己破産による影響を受けません。
将来年金を受け取る年齢になれば、予定とおりに全額受け取れますし、今すでに受給している方が金額を減らされたり止められたりする危険もありません。
自己破産をしても公的な年金や退職後に受け取れる企業年金などは受け取れることが分かりました。
では、受け取れない年金はあるのでしょうか?
自己破産によって問題になるのは「個人年金保険」です。
個人年金保険とは、自分で保険会社と契約して任意に積み立てる保険です。
個人年金は生命保険と同様に一種の「財産」となるので、自己破産の換価対象になってしまいます。
個人年金の返戻金がおよそ20万円以上になると、個人年金は解約されて債権者へ配当されると考えましょう。
年金を受給している場合、2か月に1回などの定期的に年金が指定口座へ振り込まれるものです。
公的年金や企業年金そのものは換価対象になりませんが、入金された銀行口座内の預金は換価対象になるので注意しましょう。
たとえば毎月10万円の年金を受け取っている方が半年間口座へ年金を貯め続けて60万円になった場合、債権者へ配当されてしまう可能性があります。
年金などを預金口座に入れている方は、自己破産申し立て時までに生活費や自己破産費用などの必要な支払いに充てて、20万円未満に抑えておくという方法があります。
年金が振り込まれる口座が差し押さえられると、その口座は一時的に凍結され、お金を引き出せなくなることがあります。
年金そのものは差押禁止でも、口座に入った瞬間に「預金」となるため、預金として差し押さえられてしまうのです。
ただし、入金されたお金が年金であることを示して「差押禁止債権の範囲変更」を裁判所に申し立てれば、生活に必要な分を取り戻せる場合があります。
口座が止まって生活費が引き出せない、という事態になったら、早めに専門家に相談しましょう。
「自己破産したら、滞納している年金保険料も払わなくてよくなるのか」というご質問にお答えします。
自己破産をすると、基本的に「すべての負債」の支払義務がなくなります。
借金はもちろん、他の支払いも不要となるので、人生を再スタートできるのが自己破産の大きなメリットです。
たとえば以下のような支払いはすべて自己破産によって免除されます。
ただし、自己破産をしても免除されない負債があります。これを「非免責債権」といいます(破産法253条1項)。税金や公的な保険料などが代表例です。
年金保険料は、非免責債権の典型例です。
したがって、自己破産をしても年金保険料は免除されません。
すでに滞納している分も支払う必要がありますし、今後発生する保険料も納めていく必要があります。
滞納分は破産後も残るので、別途、納付・免除・猶予の手続きで対応する必要があります。
滞納を放置すると、年金事務所から督促が来て、それでも納めないと預貯金などの財産を差し押さえられるおそれがあります。
また、保険料の未納期間が長いと、将来の老齢年金が減ったり受け取れなくなったりすることもあります。
一括で払うのが難しい場合は、まず年金事務所に相談して分割などの方法を確認してください。放置だけは避けましょう。
年金保険料が「高くて払えない」場合は、滞納する前に免除・猶予の手続きを使います。
失業や休廃業、災害などのケースでは審査なしで免除してもらえる可能性もあるので、保険料を払えないなら早めに年金事務所へ相談しましょう。
黒川聡史(司法書士法人黒川事務所 代表司法書士)
東京司法書士会所属:登録番号第4230号
簡裁代理権認定司法書士:法務大臣認定第501067号
行政書士(登録番号第19082582号)
ファイナンシャルプランナー(CFP®:1級FP技能士)
経歴: 平成19年に個人事務所を開業。債務整理を中心に15,000人以上の依頼者を解決。現在は事務所を法人化して活動
著書に『借金の不安が楽になるお金の話』『FPに知ってほしい借金の話』がある
司法書士法人黒川事務所は、債務整理(任意整理・時効援用)などを専門に扱う司法書士事務所です。これまでに19年以上の実績があり15,000人以上を解決に導きました。
企業理念は『あなたの借金問題解決を低料金でサポートしたい!』です。
業界トップクラスの安い費用であなたの借金問題解決を全力でサポートします!
もちろん相談無料で費用は分割払いにも対応しています。
司法書士法人黒川事務所
代表者 黒川聡史
東京司法書士会所属
簡裁代理権法務大臣認定
平日10時~19時30分 /土日10時~17時00分 (祝日休み)いつでもお気軽にお電話ください。
司法書士法人黒川事務所
平日10時~19時30分
土日10時~17時00分
(祝日休み)
(新宿オフィス 新宿駅7分)
東京都新宿区新宿2丁目5-1 アルテビル新宿7階