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自己破産とは、債務者の持っている財産をお金に変えて債権者に分配し、残った借金を免除してもらう手続です。
しかし、債務者の持っている財産の全てを処分されてしまうわけではありません。
今回は、自己破産をしたときに残せる財産、処分されてしまう財産について解説します。
この記事を読んでわかること
目 次
8. まとめ
自己破産をする方は、そもそも高額な財産を持っていないケースが多く、このような場合は、基本的に財産は処分されません。
「高額な財産」とは、20万円以上の価値があるものを指すことが一般的です。
裁判所に自己破産の申立てを行うと、財産の有無によって「同時廃止」と「管財手続」のどちらかに振分けがされます。
手持ちの財産に高額なものがなく、かつ借入れの理由や経緯に問題がない場合は「同時廃止」に振り分けられ、財産は処分されません。
この基準は、裁判所によって異なりますが、預金、保険の解約金、といった項目ごとに上記の20万円以上の価値、とされていることが多いです。
ただし、現金だけは33万円・50万円など少し高めの基準を置く裁判所もあります。
退職金については、退職の予定がない場合、今もらえる見込額の8分の1が20万円を超えるかどうかが基準です。
財産がほとんどない方なら同時廃止で終わり、家計の中身まで取り上げられることはありません。
ローンを完済した持ち家や、相続した土地などは、価値があれば処分の対象です。
住宅ローンが残っている家は、抵当権を持つ銀行が競売にかけるか、任意売却で処分されるのが通常で、いずれにしても自己破産で持ち家を残すのは難しいとお考えください。
ローンが終わった車でも、査定額が20万円を超えると処分の対象です。
国産の普通車で初年度登録から6年、軽自動車で4年を超えていれば、査定額がつかず手元に残せる扱いをする裁判所が多くなっています。
上場株式・投資信託・国債などは、売却して現金化し配当に回されます。少額でも申告は必要です。
掛け捨てでない生命保険・学資保険・個人年金などは、「今解約したら戻る金額(解約返戻金)」で評価し、合計が20万円を超えると処分の対象になります。
判断するのは保険金額ではなく解約返戻金です。
まだ退職していなくても、「今退職したらもらえる退職金」の一部が財産として評価されます。東京地裁では、退職の予定が当面ない場合、見込額の8分の1が20万円を超えるかが基準です。
近く退職が決まっている場合は4分の1で評価されます。
20万円を超える貴金属・宝石・ブランド品、暗号資産(仮想通貨)、人に貸しているお金(貸付金)、まだ受け取っていない売掛金なども、換価できる財産として扱われます。
自己破産は、債務者の持っている財産をお金に変えて債権者に分配し、残った借金を免除してもらう手続ですので、20万円以上の高額な財産は処分されることになります。
裁判所に財産の処分の必要があると判断されると管財事件という自己破産の手続きになります。
管財事件になると「破産管財人」が裁判所により選任されて、債務者に代わって財産の管理や処分をします。
換価された財産は、最終的には債権者への支払い(配当)に充てられます。
高額な財産がなくても、借入れの理由に浪費やギャンブルなどの問題があると裁判所が判断すれば、管財手続に回されることがあります。
管財手続の場合は、形式的には全ての財産が一旦、処分対象財産とされます。
ただし、次に挙げるものについては、法律で処分対象としないと定められています。
1.99万円以下の現金
現金は99万円まで残せます。ここでの「現金」は紙幣・硬貨を指し、銀行預金は含まれません。
2.差押禁止財産
法律で差押えが禁止されているものについては、処分の対象になりません。
例えば、生活に必要な家財道具、確定拠出年金等の年金受給権などです。
3.破産手続開始後に得た財産(新得財産)
破産手続が始まった後に得た財産は「新得財産」と呼ばれ、自由に使えます。
たとえば手続開始の翌日に入った給料は、開始後の収入なので処分されません。
加えて、法律で定められているもの以外にも、裁判所の運用によって、一定の基準により最低限生活に必要とされる財産については、処分をしないものと定められています。
例えば、東京地方裁判所では、以下の財産は処分されないとされています。
「売っても買い手がつかない、換価費用のほうが高くつく」そういう財産は、破産管財人が「破産財団から放棄」して、結果的に手元に残ることがあります。
田舎の売れない土地などが典型です。
「管財手続の場合に残せる財産」の基準より多くの財産を持っていた場合は、必ず処分されてしまうのでしょうか。
例えば、30万円以上の預金残高がある場合は、必ず処分されてしまうのでしょうか。
そのような場合は、「自由財産拡張」の申立てをして、裁判所がその財産を生活再建のために必要と判断すれば、残すことができる可能性があります。
一般的には、現金を99万円まで残せることとの均衡から、現金を含めて合計で99万円までの財産は、自由財産拡張が認められやすいとされています(例えば、現金10万円、預金30万円、保険の解約金30万円で、他に財産がない場合など)。
ただし、あくまでも裁判所の判断になり、必ず認められるとは限りません。
財産を残したい一心で「口座から現金を抜いておく」「家族の名義に移す」、これは絶対にやめてください。
財産隠しは、借金の免除(免責)を受けられなくなる免責不許可事由にあたります(破産法252条1項1号)。
悪質な場合は詐欺破産罪として、10年以下の懲役または1000万円以下の罰金、もしくはその両方が科されることもあります(破産法265条)。
破産管財人は預金の動きをチェックするため、隠してもまず見つかると考えてください。
上記の基準で自己破産をしたら財産が処分されるケースに該当する場合で、財産を残したい場合は、任意整理か個人再生を検討する方法があります。
任意整理は、毎月の返済額の減額・今後の利息の減免などを債権者と交渉する手続です。
自己破産のように、借金自体が免除されることはありませんし、減額されるわけでもありません。
そのかわり対象とする債権者を選択することができるので、ローンで購入した財産を残したい場合は、任意整理の対象から除外することで財産を残すことが可能です。
個人再生は、借金を5分の1程度に減額してもらう裁判所の手続きです。
自己破産のような財産の処分がないので、高額な財産を残したまま借金を減額することが可能です。
もちろん、ローンで購入した財産は手続の対象になるため任意整理と違い残すことはできません。
ただし、個人再生の住宅ローン特則という制度を利用すれば、住宅ローンはそのまま返済を継続したまま、他の借金を減額することも可能です。
ここでは自己破産したら自分の財産はどうなるかよくあるご質問をご紹介します。
自己破産の手続きで、自分の持ち分が処分のみ対象になります。
実際は、破産管財人が兄弟に買い取りを打診して、買取れれば代金を破産財団に組み込みます。
買取できない場合は、競売で買受人が現れれば、兄弟との共有になります。
価値が20万円以下であれば残せます。まずは、中古車買取店などに査定してもらいましょう。
また、管轄裁判所の運用として、初年度登録から普通乗用車であれば6年、軽自動車であれば4年経過していれば手元に残せる扱いが多いです。
保険の契約者が破産する人である場合、解約返戻金が20万円を超えると処分の対象になります。
自己破産する本人名義の財産のみが対象です。家族(妻)の財産は原則として処分の対処にはなりません。
ただし、実質的に破産する人の財産と判断される場合は対象となるケースもあります。
黒川聡史(司法書士法人黒川事務所 代表司法書士)
東京司法書士会所属:登録番号第4230号
簡裁代理権認定司法書士:法務大臣認定第501067号
行政書士(登録番号第19082582号)
ファイナンシャルプランナー(CFP®:1級FP技能士)
経歴: 平成19年に個人事務所を開業。債務整理を中心に15,000人以上の依頼者を解決。現在は事務所を法人化して活動
著書に『借金の不安が楽になるお金の話』『FPに知ってほしい借金の話』がある
司法書士法人黒川事務所は、債務整理(任意整理・時効援用)などを専門に扱う司法書士事務所です。これまでに19年以上の実績があり15,000人以上を解決に導きました。
企業理念は『あなたの借金問題解決を低料金でサポートしたい!』です。
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代表者 黒川聡史
東京司法書士会所属
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