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「クレジットカード現金化」という言葉を一度くらい聞いたことがあるかもしれません。
インターネットで見ることも多いでしょうし、時には街中の電柱にチラシが貼ってあったのを見たという方も多いのではないでしょうか。
今回は「クレジットカードの現金化」と債務整理の関係について触れたいと思います。
皆さんもご存じの通り、クレジットカードには、ショッピング枠というものがあります。
本来、買い物で利用するものですが、クレジットカード現金化とは、このうちショッピング枠を現金に換える事をいいます。
【現金化の種類】
現金化の方法は大きく分けて2つあります。
1つ目は、カードでブランド品や金券など換金率の高い商品を買い、質屋や金券ショップで売る方法です。
「買取式」と呼ばれ、1人で行なうことができる手軽な方法として知られています。
2つ目は、クレジットカード現金化を請け負っている業者に依頼し、業者がすすめる安い商品を高額で買い、そのキャッシュバックとして、その業者が定める還元率に基づいて現金を得る方法です。
この方法を「キャッシュバック式」と呼んだりもします。
①カード会社に対する責任
まず、クレジットカード会社は、利用規約で現金化目的によるクレジットカードの利用を明確に禁止しています。
ショッピング枠は、あくまでも利用代金を「立て替える」という目的で設定します。
つまり、キャッシングよりも滞納リスクが低いという見込みで設定している為、審査結果もキャッシング枠に比べれば可決しやすい結果になるケースが多い事があります。
この事から、ショッピング枠を使ってクレジットカードを現金化されると、クレジットカード会社は当初の予定にない大きなリスクを負う事になってしまうのです。
その為、現金化を行ってしまうと、カード会社との関係では「カード利用規約違反」となります。
そして、規約違反となれば、クレジットカードの強制解約になる事になります。
さらに、強制解約になった場合、一括での返済が求められるケースもある様です。
②刑事上の責任
まず、カードで購入した品は、完済されるまでクレジット会社に所有権があり、それを勝手に処分すると「横領罪」になる可能性があります。
また、現金化のためにクレジットカードで商品を購入する行為は、カード会社に対する詐欺行為として、「詐欺罪」に該当する可能性があります。
過去に逮捕者が出たという話は聞いた事はありませんが、刑事罰も課される可能性のある危険な行為という事が分かるかと思います。
任意整理は今後の利息をカットしてもらい60回などの長期の分割で返済していく手続きで、個別に債権者と交渉することになります。
最近のカード会社は現金化には非常に敏感です。
カード会社も現金化しやすい商品(新幹線の回数券やアマゾンギフトカード)を把握していますので、頻繁な利用があると必ず用途を尋ねられ、現金化が分かると和解が非常に厳しくなるのが一般的です。
当事務所でも、現金化が判明した事で厳しい和解になったケースもありました。
次に自己破産についてですが、現金化をしてしまうと自己破産の手続上の免責不許可事由になる可能性があります。
自己破産の手続きには「免責不許可事由」というものが定められていて、一定の条件に該当すると免責を認めないという事があります。
そして、クレジットカード現金化を利用したということも、免責不許可事由に該当する可能性があります。
もちろん必ず免責不許可になるというわけではありません。裁判官の判断で裁量免責がされる場合もあります。
ただし、その前提として管財事件として扱われる可能性が高くなります。
「管財事件になると」
財産がなくても免責を調査するために裁判所が破産管財人を選任することがあります。
現金化がある場合は、管財事件になる可能性は高くなります。
最後に個人再生についてですが、自己破産のような免責不許可事由という制度はありませんので、クレジットカードを現金化していたからといって手続上直ちに問題になるということはありません。
個人再生は、債務をおおむね5分の1に圧縮し3年で支払う手続です。残りは免除されます。
任意整理では返済が難しく、自己破産の手続きに問題がある方で利用される方は比較的多くいらっしゃいます。
個人再生の手続のうち、小規模個人再生は債権者の過半数の同意が必要になるため、現金化した信販会社が手続に反対してくる可能性はあります。
しかし、債権者数や負債総額が多ければ1社反対される可能性のある会社があったとしてもあまり問題にはなりません(債権者の同意が不要な給与取得者等再生もあります)。
現金化の程度が激しい場合は個人再生も検討に値します。
現金化を考える方は既に他所から借りられない多重債務に陥っていることが殆どです。
そんな中、すぐに現金が入るので魅力的に感じてしまうかもしれません。
ただ、買取式でもキャッシュバック式でも還元率は80~90%と低いのが通常です。
(そうでなければ、買い取ってくれる業者が儲かりません)
10万円の買い物をして得られる現金は8~9万円となり、実質的に1~2万円損をしていることになります。
そして、その現金を使ってしまえば残っているのは10万円の借金です。
この事から、更なる多重債務に陥るリスクの高い危険な行為という事が言えます。
もし、現金化で借金を解決しようと考えている方は絶対に手を出さず、直ぐに債務整理を専門家に相談すべきでしょう。
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