クレディアのしつこい請求、無視は危険！時効の条件と裁判の対応

「クレディアから請求がきたけど、昔の借金は時効で解決できる？」「聞いたこともない会社から『法的手続き』と書かれた書類が届いて怖い」

突然、株式会社クレディアから督促状が届いたり、自宅訪問を受けた方の相談が増えています。

5年以上返済していない借金は、「時効を主張」することで返済する義務がなくなります。この手続きを「時効の援用（えんよう）」といいます。

この記事では、クレディアから自宅訪問や督促状などが届いた場合や裁判所の通知が届いた場合の時効援用について、司法書士が解説します。

「クレディアなんて会社から借りてない」と不審に思う方も多いでしょう。また、ネット上では「クレディア 悪質」などの検索ワードも見受けられます。

クレディアはかつて消費者金融業を営んでいましたが、平成19年9月に民事再生を申し立て貸金業を廃業し、現在は新たな貸付は行わず、債権の回収業務のみを行っている「みなし貸金業者」です。

クレディアから借りていない（身に覚えがない）場合でも、下記のような別の消費者金融を合併していたり、事業を継承して請求しているケースもあります。

• ステーションファイナンス（スタッフィー）
• イッコー
• トライト
• ヴィンテージ
• フォーメイト

これらの会社で返済が滞っていた場合、債権を引き継いだクレディアから請求が来ることになります。悪質な詐欺業者などではありません。

ただし、債権回収に特化しているため、督促はしつこく、放置していると自宅訪問や法的措置（裁判・差し押さえ）を行ってくるため注意が必要です。

クレディアは、手紙や電話での請求に応じない場合、自宅まで訪問してくるケースがあります。委託を受けた弁護士事務所が訪問してくるケースもあります。

家族にバレたくない方や、近所の目が気になる方は、早めに対応する必要があります。

クレディアは静岡県に本社があるため、地元の静岡簡易裁判所で裁判を提起してくるケースが非常に多いです。

裁判所から「特別送達」という封書で訴状が届いた場合、放置すると相手の言い分どおりの判決が出て、再度10年経過しないと時効が主張できなくなります。放置せずに必ず対応しましょう。

裁判所からの通知も無視して判決が確定してしまうと、最終的には「強制執行」の手続きを取られます。

これは、給与や銀行預金、自宅の動産などが差し押さえられることになります。

（勤務先や銀行名・支店名が把握されている場合）

ここまで進んでしまうと、解決が非常に困難になります。

クレディアへの返済を5年以上を放置している場合、時効を主張することで督促・取立から逃れることができます。

書類が届いたら、まずは捨てずに中身を確認しましょう。

クレディアからは以下のようなタイトルの書類が届くことが多いです。

• 最後通告書
• 訪問通知書
• 法的手続き移行のご通知
• 債務名義確定通知書

書面の中に、時効成立の要件である「5年経過の起算日」となる日付が記載されています。

以下の項目を探してください。

• 約定返済日
• 支払期日
• 期限の利益喪失日
• 最終入金日

クレディアの場合は「約定返済日」の記載があるケースが多いです。

約定返済日から５年以上経過している場合は、時効を援用すると支払いを免れることができます。

債務名義とは、過去に裁判されていることを意味します。

この書面が届いた場合は、過去に裁判で判決をとられています（この場合は判決確定後10年に時効期間が延長されます）。

債務名義確定通知書に「○○簡易裁判所平成▲▲年（ハ）第○○号事件に基づく債務名義」と記載があれば、平成▲▲年から10年は時効になりません。

逆に、平成▲▲年から10年経過していれば時効の可能性があります。

ただ、判決後に差し押さえなど強制執行を受けている場合は、そこから10年に時効が再度延長されます。

5年の時効期間が経過していても、なにも手続きをしなければクレディアからのしつこい請求は続きます。

請求を止めて支払いを免れるには「５年以上支払っておらず時効なので支払わない」という意思を伝える必要があります。

この手続きを「時効援用」といいます。

時効が成立すれば督促は止まり、支払う必要もなくなります。

クレディアが地元の静岡簡易裁判所で裁判を起こすと自宅に訴状が届きます。

（裁判は訴える側に有利な裁判所で起こしてきます。クレディアは静岡の消費者金融なので地元の静岡簡易裁判所で裁判を起こします）

このケースでも、裁判手続きで時効を主張すれば、支払わなくてよくなることがあります。

裁判所から書類が届いたら、「請求の原因」欄に記載している「期限の利益喪失日」を探してみましょう。

もしくは、訴状の最後に計算書が付いている場合は、最後の取引日（期限の利益喪失日）が確認できます。

上記日付から5年以上経過していれば時効の可能性があります。

この場合は、答弁書で「時効を援用する」と主張をしましょう。

時効が認められる場合は、裁判は取り下げられます。

取り下げられたら念のため時効援用の内容証明郵便も送付しましょう。

時効が成立しないケースでは、裁判は取り下げられず、次回期日の設定や相手からの反論（準備書面）が予想されます。

時効の可能性がある場合、以下の行動は絶対に避けてください。

時効が使えなくなる可能性があります。

慌てて相手に電話せずに、まずは専門家に「時効かどうか」の相談をしましょう。

送られてくる書類には「連絡期限」が書かれていることが多く、慌てて電話したくなると思います。

しかし、電話で話すことで、債務（借金）があることを認めるような発言をすると、そこから5年間は時効が利用できなくなります。

「とりあえず1,000円だけ」と入金したり、「少し待ってほしい」「分割なら払える」と相談したりすることも「債務の承認」にあたります。

これを行うと時効期間がリセット（更新）されてしまいます。

当事務所では、時効援用（裁判対応での時効を含む）を毎月50件～100件程度ご依頼頂いております。ここではクレディアの時効援用の事例を紹介します。

クレディアからの請求は、放置すれば裁判や差し押さえのリスクが高まりますが、「時効の援用」を行えば、借金をゼロにできる可能性が高いです。

重要なのは「相手に連絡する前に」専門家に相談することです。

司法書士法人黒川事務所では、借金問題を低価格で解決するご支援をしています。 相談は無料で、分割払いも可能です。

クレディアからの通知にお困りであれば、ぜひこの機会にご相談ください。

黒川聡史（司法書士法人黒川事務所 代表司法書士）

東京司法書士会所属：登録番号第4230号

簡裁代理権認定司法書士：法務大臣認定第501067号

行政書士（登録番号第19082582号）

ファイナンシャルプランナー（CFP®：1級FP技能士）

経歴: 平成19年に個人事務所を開業。債務整理を中心に12,000人以上の依頼者を解決。現在は事務所を法人化して活動

著書に『借金の不安が楽になるお金の話』『FPに知ってほしい借金の話』がある