任意整理から自己破産に変更することはできる？

任意整理をして返済ができなくなった場合、とるべき方法としては、もう一度任意整理をする再和解という手続きと自己破産が考えられます。

再和解は、一度目の任意整理と比べて返済額はそれほど減額されるわけではありません。

一時的に支払いができなくなっただけで、再度返済ができるのであれば選択は可能です。

しかし、継続的に返済が困難なケースでは再和解でなく自己破産を検討することになります。

任意整理を依頼した直後や和解前であれば、まずは依頼している事務所に相談しましょう！

また、和解後の返済を事務所経由で行っている場合も同じく依頼している事務所に相談する必要があります。

自分の場合は自己破産できるのか？

• 保証人付きの奨学金がある
• 家族に借金している

自己破産をするのに上記のような障害は無いか聞いてみましょう。

任意整理を依頼した事務所が辞任している場合は、新たに依頼する事務所を探して自己破産の相談をすることになります。

新たに相談される側としては、できれば現在の状況（債務額や毎月の返済額）が分かる資料があれば話がスムーズです。

任意整理前の会社名や債務額は覚えているけど、現在の債権者や債務額を把握されていないと的確な方針選択ができないこともあります。

資料がなければ前事務所に連絡すればもらえます。

自己破産を依頼して裁判所に申し立てるまでは半年以上の準備期間があります。準備期間は、書類を集めたり費用を分割で積み立てる期間です。

この期間に収入が増えて任意整理での返済原資が確保できるようになったり、結婚や同居などで生活の状況が変わったりして自己破産を辞めて任意整理に変更したいというご相談もあります。

もちろん自己破産から任意整理に方針を変更することは可能です。

（依頼を受けている専門家は、依頼人の意向を無視して自己破産をすすめることはできません）

ただ、任意整理は返済を継続していく手続きです。

返済原資を確保できることが前提になるので、任意整理で返済していくのに必要な毎月の金額を確保できなければ、自己破産をそのまま進めた方がいいケースもあります。

自己破産を依頼すると、債権者への返済をストップしていますが、じつは、計算上この期間も遅延損害金が日々増えています。

たとえば、最初に自己破産を依頼してから1年経過している場合は、おおよそ２０％ほど遅延損害金で債務が増えていることを前提に、任意整理で返済できるか検討する必要があります。

もちろん元金で和解できる会社もありますが、最近の傾向としては和解日までの遅延損害金を考慮した金額でしか和解できない会社が増えています。

上記のように返済をストップしていた期間が長ければ長いほど任意整理での返済額が上がる可能性があります。

自己破産を回避するのであれば、任意整理でなく個人再生という方法もあります。

個人再生をすると債務はおおむね5分の1に減額できますので任意整理よりも毎月の返済額を下げることができます。

また、自己破産と個人再生は同じく裁判所を利用した手続きになり、準備する書類はほとんど重複してます。

自己破産である程度書類を準備していたら個人再生に切替える際にも負担が減ります。

任意整理での返済が難しくなった場合、自己破産に切り替えることは可能です。

まずは依頼した事務所に相談してみましょう。無理な返済計画を続けるよりも、方針を変更し、自己破産に切り替えることで負担を軽減することができます。

収入の増加や生活環境の変化で任意整理で返済ができるようになった場合、自己破産から任意整理への変更も可能です。

ただし、自己破産準備期間中も遅延損害金が加算されているため、返済額が増加している点に注意が必要です。

借金問題の解決方法として任意整理は有効な選択肢ですが、返済が途中で難しくなることも少なくありません。

任意整理での返済が困難になった場合、自己破産や個人再生への変更が可能であり、状況に応じて最適な手段を選ぶことが重要です。

また、自己破産の検討中に状況が改善した場合には、任意整理や個人再生に切り替える柔軟な選択も可能です。