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自己破産後は、しばらくは住宅ローンを利用できません。
ただし一生審査に通らないわけではありません。
一定期間が経過すると、また住宅ローンを利用できる状態に戻ります。
そして、自己破産後に住宅ローン審査にとおるには、いくつかポイントがあるので押さえておきましょう。
この記事では、自己破産が住宅ローン審査にどう影響するのか、いつから組めるのか、そして組めた人が実際に何をしていたのかを、FP資格を持つ司法書士の視点でご説明します。
この記事を読んでわかること
自己破産をすると、しばらくの間は住宅ローンの審査に通りにくくなります。
ただ、通らないのは一生ではありません。
仕組みを正しく理解しておけば、いつ・何を準備すればよいかが見えてきます。
自己破産後に住宅ローンを利用できなくなるのは、個人信用情報に事故情報が登録されるからです。
金融機関はローンの申込みを受けると、必ず申込者の信用情報を照会します。
そこに事故情報があれば、「返済が滞るリスクが高い」と判断され、審査で見送られてしまうのです。
事故情報とは、債務整理や長期の延滞といったネガティブな記録のことです。
自己破産をすると、この事故情報が信用情報機関に登録されます。
この状態は、一般に「ブラックリストに載った」と表現されることがあります。
ただし実際に「ブラックリスト」という名簿が存在するわけではなく、信用情報に事故情報が記録された状態を俗にそう呼んでいるだけです。
この状態の間は、銀行でもノンバンク系の貸金業者でも、ローン・クレジットカード・分割払いの利用は難しくなります。
個人信用情報とは、個人のローンやクレジットの利用状況に関する情報をいいます。
以下の3つの信用情報機関で管理されています。
一般的に住宅ローンは金融機関で借りるケースが多いので、自己破産後に住宅ローンを利用したい方にとってはKSCにおける登録情報がもっとも重要となります。
ただし金融機関の中にはKSCだけではなくCICやJICCにも加盟しているものが少なくありません。
住宅ローンを利用したい場合、上記のすべての信用情報機関における登録内容が影響する可能性があるといえます。
信用情報の事故情報は「破産した本人」だけに登録され、配偶者や家族には影響しません。
そのため、収入が安定した配偶者がいる場合、配偶者名義で住宅ローンを組むという選択肢があります。
ご相談でも「自分名義は難しくても、妻(夫)の名義なら?」と聞かれることがよくあります。
配偶者に十分な収入と良好な信用情報があれば、現実的な方法です。
ただし、破産した本人を連帯保証人や収入合算者にすると、結局その人の信用情報が照会されてしまうため、原則として破産者本人は審査に関与しない形にする必要があります。
自己破産すると個人信用情報に事故情報が登録されて住宅ローン審査に通らなくなります。
ただし事故情報は一生消えないわけではありません。
おおむね以下の期間が経過すると情報が消去されます。
銀行が加盟しているKSCでは、自己破産後7年間「官報公告情報」という事故情報が登録されています。
そのため住宅ローンは自己破産後7年間程度、利用できない可能性が高いといえます。
「自己破産後 住宅ローン 組めた人」で検索される方の多くは、「自分にも本当に可能なのか」を知りたいのだと思います。
当事務所がこれまで見てきた中で、実際にローンを組めた方には共通点があります。
組めた方に最も多いのが、「事故情報が消えるまでの数年間を、ただ待つのではなく頭金を貯める期間に使った」というパターンです。
借入希望額が小さいほど審査は通りやすくなるため、待機期間にコツコツ頭金を貯めた人ほど、その後の審査で有利になっています。
事故情報が消えたあと、いきなり住宅ローンに挑むのではなく、まず少額のクレジットカードやスマホ端末の分割払いなどで「きちんと支払える人」という新しい実績を作ってから申し込んだ方も多くいます。
信用情報が真っ白(いわゆる「ホワイト」)の状態より、健全な利用履歴があるほうが評価されやすいためです。
自己破産後に住宅ローンを利用したい場合には、次の手順に従って進めましょう。
STEP1 信用情報の開示請求をする
まずは自分の個人信用情報の開示請求を行うべきです。
信用情報に事故情報が残っている状態では、審査に申し込んでも落とされる可能性が濃厚です。事前に「事故情報が消えていること」を確認してから申し込んだ方が確実でしょう。
各信用情報機関では、本人による情報開示請求を受け付けています。
念のため、JICCとCIC、KSCのすべてに対して開示請求を行ってください。
事故情報が消えていたら、次のステップへと進めます。
STEP2 申し込み金融機関を決める
住宅ローンを申し込むときには、どこの金融機関を利用するかが重要です。
銀行や信用金庫、労働金庫など、住宅ローンを取り扱う金融機関はたくさんあります。
同じ人でも審査に通る金融機関とそうでない金融機関がありますし、金利や保証料などの条件も金融機関によって異なります。
一般的には都市銀行よりも地方銀行や信用金庫などの方が審査にとおりやすいとも言われますが、確実ではありません。給与振込先の金融機関では審査にとおりやすくなるケースもあります。
金利はできるだけ低い方が有利ですが、保証料が高額な場合などもあるので注意しましょう。
いくつかの金融機関で話を聞いて、もっとも有利になりそうなところへ申し込んでみてください。
STEP3 必要書類を揃えて審査を申し込む
住宅ローン審査を受けるには、必要書類を用意しなければなりません。
一般的には重要事項説明書や売買契約書、源泉徴収票、印鑑登録証などの書類が必要です。
担当者から必要書類を聞き、早めに集めて提出しましょう。
STEP4 審査を受ける
住宅ローンには仮審査と本審査があります。
どちらにも通過しなければ住宅ローンは利用できません。
STEP5 審査に通れば融資を受けられる
本審査に通れば住宅ローンを受けられます。
一般的に住宅ローン審査では、以下のような項目が重視されます。
・借入時年齢、完済時年齢
年齢は若い方が有利です。完済時の年齢も関係するので、一般的に申込みは早い方がよいといえます。
・健康面
健康でなければ返済が難しくなるので、心身の健康面についても判断の指標となります。
・申込者の仕事内容、収入や業種、勤続年数、勤務先の規模
常勤の正社員は収入が安定しているので、住宅ローン審査で有利です。大会社の上場企業や公務員は特に審査にとおりやすいといわれます。一方、自営業者は借り入れで不利になりがちです。
・物件の担保価値
物件の価値が高いと万が一の際に競売によって回収しやすいので住宅ローンに通りやすくなります。
・返済負担率
返済負担率とは、年収額に対するローン支払い額の割合です。
返済負担率が高い場合、支払いに無理が生じる可能性があるので住宅ローン審査に通りにくくなります。できるだけ余裕をもった借り入れ金額を設定しましょう。
自己破産後に住宅ローン審査にとおるには、以下のような工夫をしてみてください。
・頭金を多めに用意
・正社員(勤続年数長い)
・他に借り入れない
まずは自己資金をできるだけ多く用意するようおすすめします。
自己資金が多ければ、借入金額が減って返済負担率も低くなり、金融機関としても安心して貸しつけができるからです。
住宅ローン以外に消費者金融やカードローンなどの借金があると、審査に通りにくくなります。
住宅ローンに申し込む前に消費者金融、クレジットカードなどで借り入れをしないようにしましょう。
自己破産時に返済を免除してもらった金融機関は避けるようおすすめします。
金融機関は独自のブラックリストを作っており、以前に迷惑をかけられた顧客には貸付をしないケースがあるためです。
銀行がカード会社をホールディングス化している場合、情報を共有している可能性もあります。カード会社の借り入れを免除してもらった場合、その系列の銀行は避ける方が無難でしょう。
これまでに利用したことのない金融機関を利用すれば問題はありません。
事故情報が消えた直後は、信用情報に何の記録もない「真っ白」な状態です。
実はこの状態も、金融機関からすると「最近の支払い実績がなく判断材料がない」ためマイナスに働くことがあります。
そこで、事故情報が消えたあとは、少額のクレジットカードの1回払いや携帯端末の分割払いを延滞なく続け、「きちんと払える人」という新しい実績を作っておくと効果的です。
ただし、前述のように住宅ローン申込みの直前に消費者金融やカードローンで新たに借入れをするのは逆効果です。
正社員として就職して長く勤続する、担保価値の高い物件を選定する、夫婦で収入合算やペアローンも検討するなどの工夫もできます。
なおノンバンク系の住宅ローンは審査には通りやすいですが、金利が高いケースも多いのでおすすめできません。
黒川聡史(司法書士法人黒川事務所 代表司法書士)
東京司法書士会所属:登録番号第4230号
簡裁代理権認定司法書士:法務大臣認定第501067号
行政書士(登録番号第19082582号)
ファイナンシャルプランナー(CFP®:1級FP技能士)
経歴: 平成19年に個人事務所を開業。債務整理を中心に15,000人以上の依頼者を解決。現在は事務所を法人化して活動
著書に『借金の不安が楽になるお金の話』『FPに知ってほしい借金の話』がある
司法書士法人黒川事務所は、債務整理(任意整理・時効援用)などを専門に扱う司法書士事務所です。これまでに19年以上の実績があり15,000人以上を解決に導きました。
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