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任意整理の特徴や仕組みを理解しないまま進めると、「任意整理しなければよかった」と後悔するかもしれません。
任意整理は利息が高金利、かつ、ある程度の収入がある人にメリットの大きい方法です。このため全く返済できないほど借金が膨らんでいるときは、自己破産の方がメリットが大きい可能性があります。
この記事では、実際に後悔してしまう理由やその根本原因、そして失敗しないための具体的な対策と判断基準を解説します。
この記事を読んでわかること
任意整理は債権者との交渉により、今後の借金の利息などをカットし、3~5年の長期分割支払いへの変更により借金の完済を目指す方法です。
任意整理をすれば月々の返済額を減らせるだけでなく、より早く借金を完済できるようになります。
ただし、自己破産と異なり、手続き後も返済が必要です。任意整理を検討する際には、今後の支払い能力も考慮することが大切です。
このように、任意整理は借金の返済負担軽減を目指せる方法ではあるものの、適さない人が選択すれば「任意整理しなければよかった」と、後悔につながる恐れがあります。
まずは、実際にどのような状況になった時に「やらなければよかった」と感じるのか、代表的な8つのパターンを見ていきましょう。
このように「任意整理しなければよかった」と後悔するケースを分析すると、主に以下のような傾向があることがわかります。
最も多い原因は、制度に対する説明不足や理解不足です。
「専門家に依頼すれば督促が止まる」といったメリットばかりに目が向き、ブラックリストや保証人への影響といったデメリット(リスク)が十分に伝えられていない、あるいは理解できていないことが原因です。
また、費用の詳細(着手金、基本報酬、減額報酬など)があやふやなまま依頼したり、相場を知らずに高額な事務所に依頼して想定外の出費に驚くケースもこれに含まれます。
| メリット |
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|---|---|
| デメリット |
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| 費用相場 |
|
任意整理は今後も返済が必要です。
さらに、ローンなども一定期間組めなくなるため、住宅の購入や教育費など、将来にどのような希望があるかも考慮し、返済計画を立てていかなければいけません。
また、任意整理をしても、そもそも毎月の家計収支が赤字であるなど家計管理ができていない場合、再び借金問題に陥る可能性が高くなります。
借金の総額が大きく、安定した収入も見込めない状況であれば、本来は任意整理ではなく「自己破産」や「個人再生」を選択すべきです。
裁判所を利用する厳格な手続である自己破産や個人再生は扱わず、簡易な任意整理しかすすめない専門家に依頼をすると、手続き選択の機会を与えられないまま任意整理をしているケースもあります。
借金総額が少なく、節約や家計の見直しで返済が可能な場合は、わざわざブラックリストのリスクを負う必要はありません。
「払えるなら任意整理はしない」が大原則です。
前述の通り、教育ローンなど低金利の借入れが中心の場合、任意整理をしても利息減免のメリットは小さく、費用倒れになるリスクがあります。
任意整理をすると信用情報に傷がつくため、近々、住宅ローンなどを組む計画がある場合、その計画は白紙になります。
ライフプランへの影響を慎重に考える必要があります。
収入がない、あるいは借金が膨らみすぎて利息カット程度ではどうにもならない場合は、無理に任意整理をせず「自己破産」などを検討すべきです。
インターネットやYouTubeなどで、任意整理のメリット・デメリットを事前に予習しておきましょう。
また、自己破産や個人再生など、他の方法についても簡単に知っておくことで、専門家の提案が適切かどうか判断しやすくなります。
また、さまざまな方法を検討した結果から任意整理を選択すれば、「あのとき自己破産を選択すればよかった」などと後悔しにくくなるでしょう。
任意整理がおすすめな人は、任意整理後の金額でも返済を継続できる人です。
つまり、事前に専門家に「毎月いくらの返済が必要か」を試算してもらい、その金額なら生活を圧迫せずに支払えるというケースです。
もし支払いに無理がある状態で進めてしまうと、結局払えなくなり後悔することになります。
以下の項目に多く当てはまる場合は、任意整理を中心に解決を検討しましょう。
| ✔ | 毎月、一定の安定した収入がある |
|---|---|
| ✔ | 3年〜5年かかっても、借りた元金だけなら返済できる自信がある |
| ✔ | 保証人がついている借金は手続きから外したい |
| ✔ | 家族や会社には絶対にバレたくない |
| ✔ | 車や住宅ローンへの影響を避けたい |
借金の総額が300万円を超えている場合は、個人再生を検討すべきです。
300万円を超えると、任意整理だけでは毎月の返済額が高額になりがちです。
個人再生であれば、借金を5分の1(または100万円)まで大幅に減額できるため、任意整理よりも毎月の負担を確実に下げられます。
また、住宅ローン返済中の持ち家がある人も、個人再生が適しています。
「住宅資金特別条項」を使えば、住宅ローン以外の借金だけを減額し、家を守ることができるからです。
下記に該当する人は任意整理だけでなく個人再生も検討しましょう。
| ✔ | 負債総額が300万円を超えている |
|---|---|
| ✔ | 借金総額が大きく、利息カットだけでは毎月の返済が厳しい |
| ✔ | 借金の理由にギャンブルや浪費が多く、自己破産は避けたい |
| ✔ | 住宅ローン返済中のマイホームを絶対に手放したくない |
| ✔ | 借金を大幅に減額できれば返済できる |
任意整理での返済が難しく、かつ守りたい高価な財産(持ち家など)がない場合は、自己破産を検討しましょう。
実は、自己破産と個人再生では、手続きの手間や必要書類の量はほとんど変わりません。
大きな違いは「財産処分の有無」と「借金がゼロになるか一部残るか」です。
処分の対象になる財産がないのであれば、借金が全額免除される自己破産の方が、経済的な再生は圧倒的に早いと言えます。
下記のような方は任意整理だけでなく自己破産も検討しましょう。
| ✔ | 現在無職、または収入が極端に少なく返済の目処が立たない |
|---|---|
| ✔ | 借金総額が年収を超えている、または同等である |
| ✔ | 処分されて困るような高価な財産(持ち家・高級車など)を持っていない |
| ✔ | 警備員や保険募集人など、資格制限のある職業には就いていない |
| ✔ | とにかく一度借金をゼロにして、生活をリセットしたい |
専門家を探す前に費用の相場を知っておくことが重要です。
【相場の目安:1社あたり55,000円程度】
中には1社10万円以上という高額な事務所も存在します(広告費や人件費が上乗せされている場合など)。
例えば「1社55,000円以下、かつ33,000円程度」で対応してくれる事務所であれば、コスト面での後悔は少なくなります。
なるべく良心的な価格設定の事務所を探しましょう。
借金総額・借入れ件数・収支の状況・将来のライフプランなど、必要なことは全て専門家に伝えるようにしましょう。
また、借金の理由や過去に債務整理をしたことがあるなどの情報も、債務整理を行う上で重要になります。
必要な説明を省いたり、隠したりすると、専門家が適切な債務整理の方法を案内できない原因になってしまいます。
信頼できる専門家を選ぶことが何より大切です。
弁護士や司法書士などの専門家を選ぶときのポイントは以下のとおりです。
依頼する前に相談をすれば、あなたの話をしっかり聞いてくれるか、丁寧に説明してくれるかなども分かります。
もし、少しでも違和感があるなら、別の専門家に依頼した方が後悔を少なくする上でも役立ちます。
ここでは任意整理しなければよかったと後悔する原因に関するよくある質問を紹介します。
任意整理であれば、家族や会社にバレずに手続きをすることが可能です。
借金がバレる可能性が高いのは、任意整理もせずに借金が払えないと放置してしまった場合です。
依頼のキャンセルは可能です。委任契約を解除し、別の事務所に依頼し直すこともできます。
ただし、着手金の精算の問題もあるため、よく検討してからキャンセルするかどうか確認しましょう。
一般的に2回分(2ヶ月分)の支払いを滞納すると、一括請求される可能性があります(期限の利益の喪失)。
その場合は、再度任意整理(再和解)をするか、自己破産・個人再生を検討しましょう。
黒川聡史(司法書士法人黒川事務所 代表司法書士)
東京司法書士会所属:登録番号第4230号
簡裁代理権認定司法書士:法務大臣認定第501067号
行政書士(登録番号第19082582号)
ファイナンシャルプランナー(CFP®:1級FP技能士)
経歴: 平成19年に個人事務所を開業。債務整理を中心に12,000人以上の依頼者を解決。現在は事務所を法人化して活動
著書に『借金の不安が楽になるお金の話』『FPに知ってほしい借金の話』がある
企業理念は『あなたの借金問題解決を低料金でサポートしたい!』です。
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司法書士法人黒川事務所
代表者 黒川聡史
東京司法書士会所属
簡裁代理権法務大臣認定
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