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債務整理とブラックリスト | 信用情報を徹底解説

債務整理をするとブラックリストに載るといわれていますが、厳密にはそのようなリストはありません。

JICC・CIC・全銀協が管理している個人信用情報に事故情報が載るという「いわゆるブラック状態」を「ブラックリストに載る」という表現がされています。

 

ちなみに上記の個人信用情報は、クレジットカードやカードローンだけでなく住宅ローン・オートローンを組んだことがある人ならだれにでも存在しています(スマホの本体を分割払いにしている人もCICに登録されています)。

 

つまり、債務整理をするとすでに存在している信用情報に事故情報が追記されることになります。

また、個人信用情報をきれいにする方法があるのかどうかも解説します。

債務整理と信用情報(ブラックリスト)についての説明
債務整理とブラックリストに関するこの記事のポイント

1.債務整理をするとブラックリストに載る?は間違いで、正式にはすでに登録されている信用情報に事故情報が追加される

2.任意整理をした場合は、完済後5年間は新たなローンは難しい

3.信用情報が回復したかどうかは自分で確認できる

4.多重債務状況ではブラックをそれほど気にする必要はない

5.クレジットカードが使えなくても代替方法がある

ブラックリストにのる(事故情報が載る)とどうなる?

ブラックリストに載るとどうなる

3つある信用情報機関に登録されている情報は、各信用情報機関同士で共有されていますし、各消費者金融や信販会社なども登録している信用情報機関を通じて情報が共有されています。

 

その結果、債務整理をすると対象にするカードが利用できなくなるだけでなく、他社で新たなクレジットカードが作れないことになりますし、手続きから除外しているカードの利用も停止される可能性も高くなります。

もちろん、住宅ローンやオートローンなど組めない状況になります。

 

【いわゆるブラックリストに載ると】

・クレジットカードが作れない(止められる)

・住宅ローンが組めない

・スマホを分割払いで購入できない

・車のローンが組めない

 

ただ、延滞している場合や銀行から保証会社に債権が移っている場合・裁判を起こされている場合など、現在の状況によっては債務整理をしていなくてもすでにブラック状態にあるケースも少なくありません

ブラックリスト(信用情報)を確認できるのは誰?

ブラックリストを確認できる人

意外と知られていないのが、自分の信用情報は自分で確認(見る)ことができます。

JICC・CIC・全国銀行個人信用情報センターの3社で確認することができます。

 

それでは、自分の信用情報は他人でも誰でも見ることができるのでしょうか?

もちろん、勝手に赤の他人の個人に見られることはありません。

 

信用情報を確認することができるのは、個人情報の取得や情報の登録・照会について同意をした会社です。(会社といっても各信用情報機関に加盟している会社で、加盟していない会社は確認することができません)

 

代表的なのは、ローンを申し込んだ信販会社・消費者金融や住宅ローンを申し込んだ銀行です。これらの会社は信用情報機関に加盟している会員なので、審査の際に確認することが可能です。

 

逆に、一般の会社(勤務先など)は信用情報の加盟会員でないので信用情報を確認することはできません。

信用情報を確認できる人や会社

信用情報を確認できない人
  • 本人
  • 本人が亡くなった場合の相続人
  • 信用情報機関に加盟している消費者金融や信販会社・銀行など

 

(信用情報を確認できない人や会社)

  • 家族
  • 他人
  • 勤務先など一般の会社

債務整理のブラックリストいつ消える?(信用回復するのはいつ?)

ブラックリストから消える、つまり信用情報から事故情報が消えて信用回復するのはいつでしょうか?

 

事故情報が残っている間にローンの審査にかけると、当然ながら審査に影響が出て落ちやすい状態になります。

クレジットカードや住宅ローンを通したい方は、信用情報にいつまで載っているか?いつ消えるのか?気になると思いますので説明します。

債務整理で最も多い任意整理をした場合、ブラックリストはいつ消えるの?

債務整理をしたというブラックな情報はいつまでも永遠に残っているわけではありません

完済して時期がきたら削除されます。

(延滞している状態で放置していると、信用情報の延滞情報が残ったままになります)

 

債務整理をした際のブラックな情報はいつ消えるのか信用情報機関により異なります。

 

JICCのケース

債務整理をした場合「7.異動参考情報等」欄に「債務整理」という情報が載ります。

載っている期間は「契約継続中及び契約終了後5年以内」です。

(ただし、2019年9月30日以前の契約の場合、発生日から5年以内登録)

 

CICのケース

債務整理をした場合でも、「債務整理」という文言は登録情報としてはありません。

ただし、債務整理を依頼することで発生する延滞や保証会社による保証履行の情報が「24.返済状況」欄に「異動」と登録がされます(経過状況欄に「支払条件変更」と登録されるケースもあります)。

この「異動」の情報の登録期間は、「契約期間中および契約終了後5年以内」です。

 

全国銀行個人信用情報センターのケース

債務整理をした場合、銀行のローンは保証会社に債権が移ります(代位弁済といいます)。

この場合、「代位弁済」という情報が登録から5年間残ります。

任意整理後にローンが組めるのは「完済してから5年後」が目安

上記をまとめると、完済後5年間は審査に落ちる可能性が高い認識してください。

 

もちろん一律でないので契約の時期や内容によってはそれよりも早い段階でローンを組める可能性もあります(それを確認する方法は、下記の「自分の信用情報が回復されたか確認する方法」を参照ください)。

 

過去に、任意整理された方で、完済してすぐにクレジットカードを作成し、再度、リボ払いが増えて2度目の債務整理の相談を相談される方もいらっしゃいます。

 

現在、任意整理を開始される方は最近の契約が入っているケースが多く、最後に信用情報が消えるのが完済後5年の会社が入っているケースが多いことになります。

 

よって、任意整理をされる方は完済後5年を目安でお考え下さい。

自分の信用情報が回復(削除)されたか確認する方法
(いつ頃「回復する・消える」のか確認するには?)

信用情報の回復を確認する方法

信用情報が回復するのは、債務整理をした場合は、完済から5年が目安と案内しておりますが、あくまで目安であり、実際に消去されるまでの期間は個別状況によって異なります。

 

「任意整理後必ず5年で消してもらえる」「完済後5年経たないと絶対にクレジットカードを利用できない」という意味ではありません。

 

結局、いつになったらクレジットカードが作れるようになるのか?住宅ローンを組めるのか?これを確認したい場合は自分の信用情報を取得して確認するという方法があります。

 

情報が残っている・削除されていない場合は・・・

CICの場合は、保有期限でいつ削除されるのか?

JICCの場合は登録日からいつまで載っているのか?

書類上で確認することができます。

 

下記の信用情報機関で自分の信用情報を取得して確認ができます。

JICC https://www.jicc.co.jp/

CIC https://www.cic.co.jp/

全国銀行個人信用情報センター https://www.zenginkyo.or.jp/pcic/

インターネットや郵送で取得することが可能です。

当事務所では、これから債務整理を検討される方の無料相談は行っておりますが、信用情報に関する無料相談は行っておりません

 

※下記のような内容のお問い合わせは回答はできませんのでお控えください。

「過去に債務整理したけどまだカードが作れない」

「信用情報を訂正してほしい」

「信用情報に記載されている内容について教えてほしい」

 

直接、信用情報機関・以前に債務整理を依頼した専門家に問い合わせてください。

個人信用情報をきれいにする方法はある?

個人信用情報をきれいにする方法はなく、原因の解消と期間経過を待つしかない

個人信用情報に登録されている内容が「間違いの場合」は、信用情報機関から登録をした加盟会員(信販会社や消費者金融など)に調査依頼をかけて訂正や削除してもらうことが可能です。

・同姓同名の他人の情報が掲載されている場合など

 

これに対し登録されている内容が「正しい場合」は、登録期間満了前に訂正や削除してもらうことはできません

 

インターネットなどで「信用情報を回復します・きれいにします」と見かけますが、詐欺の可能性がありますのでご注意ください。

 

ただし、消滅時効が成立する場合に時効援用の手続きをすることで「信用情報から削除されたり回復する」ことはあります

債務整理してもブラックリストに載らない方法はある?

債務整理してもブラックにならない方法はある?

債務整理をしてもブラックリストに載らないのであれば、手続を検討したいという方もいらっしゃいますが、残念ながら上記のように債務整理をするとブラックリストに載ります。

 

債務整理をしてもブラックリストに載らない方法は存在しません。

 

ブラックリストを回避するのであれば、自力で返済する(せめて、おまとめローンで一本化して効率よく返済するなど)しか方法がありません。

「ブラックリスト問題」を徹底解説

「債務整理をするとたくさんのデメリットがあるのでは?」

借金があっても、債務整理のリスクやデメリットが心配になると、手続きに踏み切れないものです。

 

確かに巷では、ブラックリスト(ローンやクレジットカードを使えない)をはじめとして、いろいろなデメリットがささやかれています。

 

ただ世間でいわれていることは、必ずしも正しくありません。今回は債務整理の本当のデメリットについて、専門家が解説します。

 

債務整理のデメリットとして、多くの方が真っ先に思い浮かべるのが「ブラックリスト問題」ではないでしょうか?

債務整理をするとブラックリスト状態になる

債務整理するとブラックになる

ブラックリストとは、個人信用情報に事故情報が登録されて、ローンやクレジットカードを一切利用できなくなることです。

 

実際に「ブラックリスト」というリストはありません。信用情報に異動情報や代位弁済情報などが登録されるので、ローンやクレジットカードの審査に通らなくなってしまうのです。

そういった状態を、俗に「ブラックリスト」といっています。

 

確かに債務整理をすると個人信用情報にネガティブ情報が登録され、一定期間ローンやクレジットカードを使えなくなります。クレジットカードを使って便利に生活したい方、住宅ローンや車のローンなどを利用したい方にとってはデメリットとなるでしょう。

ブラックリストは一生続かない

ブラック状態は一生ではない

債務整理によってブラックリスト状態になってしまっても、今後一生カードを作れない、ローンを借りられないわけではありません。

 

ローンやクレジットを利用できないのは、個人信用情報に事故情報が載っている間のみです。

 

事故情報は、一定期間が経つと消去されるので、その後はまた通常とおりカードやローンを利用できる状態に戻ります。

延滞してもブラックリスト状態になる

延滞してもブラックになる

借金返済が苦しくなると、支払えなくなって延滞してしまう方が多数おられます。

実は多くの貸金業者では、23ヶ月程度延滞すると、信用情報機関へ通知して「延滞情報」を登録させています。

 

延滞情報も1種の事故情報です。

結局、借金返済できなくなって延滞したら、債務整理をしなくてもブラックリスト状態になってしまうのです。

債務整理によるブラックリストだけをおそれることに、あまり意味はありません。

他社借入があると、審査にとおりにくい

借入が多いと審査に落ちる

延滞情報が登録されていなくても、多くのカード会社や消費者金融会社で借入をしていると、それ以上は貸してもらえなくなります。

 

貸金業者からの貸付には「借金の総量規制」があり、年収の3分の1以上は貸せないルールになっているからです。

 

銀行が住宅ローン審査を行う際にも、「他社から借入がないか」チェックされるので、カードローンやクレジットカードの残高があると審査にとおりにくくなるのが現実です。

 

つまり、債務整理をしなくても、たくさんの貸金業者から借入をしていたら結局は「ブラックリスト」に近い状況になってしまいます。すでに債務整理を検討する程度の「多重債務」に陥っているなら、事故情報が載っていなくても借入は困難となるでしょう。

 

そういった状況の方が「ブラックリスト」をおそれて債務整理を躊躇する意味はほぼありません。

 

むしろ債務整理(任意整理)をして早期に完済すれば、その後、新たにカードを作ったりローンを組んだりしやすくなるので、その意味で債務整理は「メリット」ともいえます。

代位弁済、裁判されているとブラック状態

代位弁済や裁判されてもブラック状態

借金を滞納し続けると、銀行カードローンの保証会社が代位弁済をしたり、貸金業者が裁判を起こしてきたりすることがあります。

 

このような場合、確実にブラックリスト状態に陥っていると考えましょう。放っておくと、給料や預貯金を差し押さえられてしまう可能性も高まります。一刻も早く債務整理をして、差押を止めなければなりません。

 

ブラックリストを気にする必要性は一切ないので、早めに専門家へご相談ください。

ブラックリストに関する誤解

  • ブラックリストになったら大変だ!
  • 周りにも迷惑がかかる
  • ブラックだけは絶対に避けたい

このように考える方がたくさんおられます。

しかしブラックリストは、世間で思われているほど重大ではありませんし、家族や親戚などの周囲の人へも影響しません。

家族の信用情報には影響しない

自分がブラックでも家族に影響しない

債務整理をしてブラックリスト状態になっても、家族の信用情報には影響しません。

ローンやクレジットカードを利用できなくなるのは本人のみです。

 

同居の配偶者であってもその人自身に延滞や債務整理歴がなければ、クレジットカードを発行できますし、住宅ローンも組めます。

勤務先は信用情報を確認できない

勤務先は信用情報を確認できない

ブラックリスト状態になると「勤務先に知られるのでは?」と心配される方もおられます。

しかしこの心配も不要です。

 

個人信用情報を確認できるのは、信用情報機関に加盟している貸金業者、銀行のみです。

一般の企業は情報照会できません。

 

また金融機関や貸金業者であっても、やみくもに参照できるものではありません。審査に必要な限度でしか確認できないので、家族が金融機関に勤めているから知られるものでもないのです。

 

ブラックリストを周囲に知られることについて、過剰に心配する必要はありません。

クレジットカードを使えないのは本当にデメリット?

クレジットカード使えないことはメリットでもある

債務整理をしてブラックリストになると、クレジットカードを作成できず、今のカードも停止されます。これは一般的には債務整理のデメリットと考えられています。

 

しかし多重債務の状況でクレジットカードを利用できなくなることが、本当にデメリットといえるでしょうか?

 

支払いが苦しいにもかかわらずカードの利用を継続すると、さらに借入額や返済額が増えて首を絞めてしまうだけです。複数社で借りて自転車操業状態となり、にっちもさっちもいかなくなるでしょう。

リボ払いなどでは、毎月利息のみを支払っているだけで債務が一向に減らないケースも多々あります。最終的には負債が膨らんで自己破産しなければならない状況に追い込まれます。

 

このようなことを考えると、借り増しできる状況の方がむしろデメリットといえるのではないでしょうか。

債務整理によってカードを使えない、作れない状態になると「借りてはいけない状態になってしまったとき、自主的に努力しなくても借入を制限してもらえる」意味で、メリットにもなるのです。

ブラックリスト対策

ブラック状態の対策3つ
  • デビットカードを使う

債務整理によってクレジットカードを使えなくなったら、デビットカードで対応しましょう。

デビットカードとは、カード利用と同時に預金口座から引き落とされるカードです。クレジットが後払いなのに対し、デビットカードは「同時払い」になると考えましょう。

注意しなければならないのは「残高がないと引き落としができない」点です。それ以外は普通にクレジットカードと同様に利用できます。

 

デビットカードであれば、債務整理後のブラックリスト状態であっても発行できるので、銀行で申請しましょう。

債務整理してもデビットカードは作れる?

 

  • キャッシュレスペイ、電子マネーを利用する

最近では、Paypayや楽天Payd払いなどのキャッシュレスペイサービスがどんどん普及してきています。こういったキャッシュレスペイも、事前入金するタイプであればブラック状態でも問題なく利用できます。Edywaonsuicaなどの電子マネーも同様です。

 

コンビニやスーパーで使える場所が増えているので、こういったサービスも便利に利用しましょう。

 

  • 家族カードを利用する

配偶者など、ご家族がいる方の場合には「家族カード」を発行してもらう方法もあります。

家族カードは「カードの名義人」の信用にもとづいて発行されるので、家族がブラックリスト状態であっても発行してもらえます。

家族カードも通常の自分のカードと同じように利用できるので、1枚あればさほど不便は感じないでしょう。

結局、ブラックリストによるデメリットをおそれて債務整理を躊躇する必要はほとんどありません。

他のデメリットとしては、保証人に迷惑をかける可能性があることくらいです。これについても、保証人を外して任意整理すれば問題ありません。

 

債務整理のデメリットが心配な方は、司法書士が不安を解消できるまで丁寧にご説明させていただきます。借金問題をかかえて苦しくなったとき、1人で悩んでいても解決できません。まずは1度ご相談ください。

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