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借金を長期間返済していないと消滅時効で返済義務がなくなる可能性がありますが、必要な期間が過ぎても、必ず時効になるとは限りません。
途中で時効が「更新」されると、それまでの経過がすべてゼロに戻り、また最初から数え直しになるためです。
時効が振り出しに戻る原因(更新事由)は、主に「債務承認」と「裁判(確定判決・支払督促・強制執行)」の2つです。
この記事では、時効の更新と完成猶予の違い、リセットされる具体例、そして更新させないための注意点を解説します。
この記事を読んでわかること
時効の「更新」とは時効期間がリセットされ、数え直しになること(2020年の法改正前の「中断」と同義)。
一部の支払いや支払う約束(債務承認)で時効は更新される。
裁判上の請求で時効は完成が猶予され、判決確定で更新(リセット)される。
時効の更新とは、特定の事由により、それまで進行していた時効期間がゼロに戻り、新たに数え直しになることです。
例えば最終返済日から4年経っていても、更新が起きると、その時点からあらためて5年が経過しないと時効を主張できません。
なお、2020年4月の民法改正で、それまでの「中断」という名称が「更新」に変わりました。名称は変わりましたが、「期間がリセットされる」という効果は同じです。
| 更新事由 | 内容 | 根拠条文 |
|---|---|---|
| 債務承認 | 一部返済・支払いの約束など、借金を認める行為 | 民法152条 |
| 裁判の確定 | 訴訟・支払督促で判決等が確定する | 民法147条2項 |
| 強制執行 | 給与・預金の差押えなどが終了する | 民法148条2項 |
裁判で債務名義を取得された後は、その後の時効期間は5年ではなく10年に延びます。
実務上、最も注意すべき更新事由が「債務の承認」です。
これは債務者が「私には借金があります」と認める行為を指します。
債権者(借入先)は、時効を阻止するために「連絡期限を設けた催告書」などを送付して、債務者からの連絡を待ち債務承認に誘導します。
以下の行為は「承認」とみなされ、時効が更新される代表例です。
一部弁済:「1,000円だけでもいいから払ってほしい」と言われ、少額でも支払う行為。
支払猶予の申し入れ:「今は払えないが、来月まで待ってほしい」「分割にしてほしい」と交渉する行為。
書面への署名・捺印:債権者が持参した「確認書」や「和解書」にサインする行為。
債務内容の確認:支払うことを前提とした残高の確認や振込先の確認も状況により承認とみなされるリスクがあります。
【司法書士のアドバイス】
債権者からの電話で「少しずつでも返します」と言ってしまった場合、録音されていれば当然証拠となり、時効が更新される可能性があります。
録音されていなくても貸金業者は貸金業法19条に基づき「債務者等との交渉の経過の記録」を帳簿に保存する義務があり、会話内容は記録されています(裁判になったら証拠として採用される可能性は高いと思われます)。
時効での解決を検討しているなら、債権者との直接接触は厳禁です。
時効期間が経過した後に、時効を援用(主張)する前に債務を承認してしまった場合、原則として「もはや時効を援用することはできない」とされています(最高裁判例:昭和41年4月20日)。
一度「払います」と言った後に「やはり時効だから払いません」と言うことは、信義則(相手の信頼を裏切らないという法原則)に反すると判断されるためです。
「時効という制度を知らなかった」は通用しません。
ただし、援用できなくなった場合でも、その承認の時からあらためて時効期間(通常5年)が経過すれば、
再び時効を援用できます(最高裁昭和45年5月21日判決)。
司法書士法人黒川事務所では、あなたの借金問題を低価格で解決するご支援をしています。相談無料で分割払いOKなので毎月100人ほどご依頼いただいております。お困りであればぜひこの機会にご相談ください。
債権者が訴訟を提起すると、まず裁判が終了するまで時効の完成が猶予されます。
その後、判決が確定(または裁判上の和解が成立)すると、時効は更新されます。
この際、注意すべきは「更新後の時効期間が10年に延びる」という点です。元々の時効が5年であっても、判決確定後は10年経過しなければ時効になりません。
知らない間に裁判されるケース?
知らない間に裁判が終わっているケースは稀にですが存在します。
原則は、住民票を取得して所在を突き止めて裁判が進んでいくので、「送付されたきた裁判書類を無視している、郵便に気づかなかった」という方が殆どです。
しかし、債務者が住民票を移さずに引越しをしていても、債権者は裁判を起こすことが可能です。
所在が不明な場合は「公示送達」という手続きで、訴状が届いたものとみなされ、債務者不在のまま判決が出されます。
この場合、本人が知らない間に時効が更新され、期間が10年に延びているという事態が起こり得ます。
裁判所から届く「支払督促」に対し、異議を申し立てずに放置して「仮執行宣言」が付与されると、確定判決と同様の更新効果が生じます。
給与や預金口座の差し押さえ手続きが行われた場合、その手続きが終了した時点で時効が更新されます。
借金の時効成立を目指すのであれば、以下の対応を心がけましょう。
電話での会話はすべて承認のリスクを伴います。
アンケート形式の和解の申し入れ書など、相手から送付されてくる書類に「支払える金額」などを記載して返信すると債務承認と主張されます。
1円でも支払えば、時効はリセットされます。
期間が経過しただけでは時効は完成しません。内容証明郵便などで「時効援用通知」を送り、手続きを完了させることが重要です。
時効の成立を待っていても、途中で裁判などで更新される可能性があるので、必要な期間が経過しても時効が成立するとは限りません。
放置している期間が5年目前などであれば、5年経過するまで様子を見たほうがいいケースはあります。
時効の期間まで数年あるケースでは、時効の成立を待つのは非常に不安定で不確実な対応方法といえるでしょう。
借金を支払わずに無視していると、遅延損害金も加算されて借金額が膨らんでしまいます。
借金問題に悩んでいるなら、時効の成立を待つより債務整理した方が適切なケースが多々あります。
更新は時効期間がゼロにリセットされること、完成猶予は時効の完成が一時的に止まることです。
更新のほうが効果が強く、債務承認や確定判決で起こります。
知らずに払っても債務承認となりリセット(更新)されます。時効を主張する場合は、そこから再度5年の経過が必要になります。
電話をすること自体ではなく、会話の内容が問題です。
「支払います」「分割にしてほしい」など支払いを認める発言をすると承認になります。安全のため、債権者との直接の連絡は避けてください。
原則、その時効は援用できなくなります。ただし、その時点から再び5年が経過すれば、改めて援用できます。
借金は5年経てば自動で時効になるわけではなく、途中の「更新」で振り出しに戻ることがあります。
支払いの約束や一部返済(債務の承認)をすると、時効はリセット(更新)される。
裁判を起こされると、判決確定時に時効がリセットされ、次は10年になる。
時効成立を狙うなら、債権者からの連絡には安易に応じない。
時効の成立を待つのは不確実性が高く、その間も遅延損害金は増え続けます。
借金問題で悩んでいる場合は、時効を待つだけでなく、債務整理によって問題を根本的に解決することも有効な選択肢です。
司法書士法人黒川事務所では、時効援用や債務整理に関するご相談を無料で承っております。時効が成立するかなどお気軽にご相談ください。
黒川聡史(司法書士法人黒川事務所 代表司法書士)
東京司法書士会所属:登録番号第4230号
簡裁代理権認定司法書士:法務大臣認定第501067号
行政書士(登録番号第19082582号)
ファイナンシャルプランナー(CFP®:1級FP技能士)
経歴: 平成19年に個人事務所を開業。債務整理を中心に15,000人以上の依頼者を解決。現在は事務所を法人化して活動
著書に『借金の不安が楽になるお金の話』『FPに知ってほしい借金の話』がある
司法書士法人黒川事務所は、債務整理(任意整理・時効援用)などを専門に扱う司法書士事務所です。これまでに19年以上の実績があり15,000人以上を解決に導きました。
企業理念は『あなたの借金問題解決を低料金でサポートしたい!』です。
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代表者 黒川聡史
東京司法書士会所属
簡裁代理権法務大臣認定
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