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携帯代を滞納するとどうなる?強制解約の時期と払えない時の任意整理を解説

携帯代を滞納した場合の解決方法を解説

「携帯代の支払いを数ヶ月滞納してしまった…」「督促状が届いたけれど、お金がなくて払えない」「強制解約予告が来て困っている」

 

携帯電話(スマホ)はライフラインであり、利用停止や解約は生活に直結する深刻な問題です。

 

支払いが滞ると、単に携帯が使えなくなるだけでなく、「信用情報(ブラックリスト)」への登録や、最悪の場合は給料の差押えといった法的措置に発展するリスクがあります。

 

この記事では、携帯代を滞納した後の「強制解約までのスケジュール」と、どうしても払えない場合の「任意整理」という方法について、司法書士が詳しく解説します。

この記事を読んでわかること

  • 携帯代を滞納すると2ヶ月~4ヶ月程度で強制解約される。
  • 通信料の滞納はTCA・TELESAに不払者情報が登録され、完済するまで契約に影響する。
  • スマホの本体代を滞納するとCICに事故情報が登録され、その後のローンの審査に影響する。
  • 携帯代(本体代含め)も任意整理で解決できる

携帯料金やスマホ代を滞納するとどうなる?

携帯料金やスマホ代を滞納した場合、すぐに回線が停止されるわけではなく、いくつかの段階を経て最終的には強制解約されます。

 

まずは、以下に、一般的な流れを6つの段階に分けて説明します。

1. 請求書または督促状が届く(約7~10日後)

請求書や催告書が届く

支払期日を過ぎると、携帯会社からハガキやSMSで請求書・督促状が届きます。

 

「〇月×日までにお支払いください」という期限が設定されています。

2. 利用停止の案内が届く(約10~15日後)

利用停止のお知らせが届く

督促状の期限を過ぎても支払いがない場合、「利用停止のお知らせ」が届きます。

 

ここには「〇日に回線を止めます」と明記されています。

3. 利用停止となる(約15~30日後)

スマホが利用停止になる

予告された期日を過ぎると、回線が停止されます。

  • 電話の発着信不可

  • インターネット通信不可(Wi-Fiのみ利用可能)

  • キャリア決済の利用不可

 

この段階ではまだ契約は解約されておらず、料金を支払えば回線が回復し再度利用可能です。

4. 強制解約となる(約2~4ヶ月後)

携帯電話が強制解約

利用停止後も支払いを放置し続けると、強制解約になります。

 

これ以降は、料金を支払っても、契約を復活させることはできません

5. 債権回収会社や弁護士から通知が届く

弁護士から携帯代の取り立て

強制解約されても支払い義務はなくなりません。

 

請求元が携帯会社から「債権回収会社」や「弁護士事務所」に変わり、回収手続きが始まります。

一括請求を求められることが一般的です。

6. 裁判所から通知が届く

最終的には裁判所から訴状や支払督促が届くことがあります。

 

これも無視すると、給与や預貯金などの差押え(強制執行)が行われるリスクがあります。

携帯代の滞納と2つのブラックリストについて

携帯代の滞納には、大きく分けて2種類のブラックリストが関係します。これが今後のクレジットカード作成や新しい携帯契約の審査に影響します。

信用情報機関(CIC)への登録【金融ブラック】

スマホ代を滞納するとブラックリストになる

スマホ本体(端末代)を分割払いで購入している場合、それはローン契約と同じです。

 

端末代を61日以上(または3ヶ月以上)滞納すると、信用情報機関(CIC)に「異動情報(事故情報)」が登録されます。

 

これにより、スマホの割賦購入が難しくなるだけでなく、クレジットカードや住宅ローンの審査に影響します

 

異動情報は、完済から5年間保持されるため、少額の延滞でもその後の人生において長期的に影響を及ぼすことになります。

不払い者情報交換(TCA・TELESA)【携帯ブラック】

通信料を滞納すると携帯ブラックになる

携帯電話会社各社が加盟している協会(TCAやTELESA)のデータベースに、通信料の未払い情報が登録されます。

 

これによりドコモ、au、ソフトバンクなど他社を含め、携帯電話の新規の通信契約の審査に影響します。

不払い者情報は完済するまで、または契約解除から5年間登録されています。

【強制解約前】携帯代の支払い遅れの対処法

まだ強制解約になっていない段階であれば、以下の方法で回避できる可能性があります。

キャリアに相談する

携帯料金が支払えない場合は、まず最初に携帯会社に連絡して相談しましょう。

 

キャリアによっては、支払いの延長や分割払いに応じてくれる場合があります。

家族に援助を頼む

親や兄弟に事情を話し、一時的に立て替えてもらう方法もあります。

カードローンで借りて携帯代を払う

カードローンで借りて携帯代を支払う

現在ブラック状態でなければ、カードローンでお金を借りて、滞納している携帯代を支払う方法もあります。

 

例えば20万円を年利15%で借りて毎月1万円ずつ返済する場合、利息は約3万円程度です。

 

少し長いと感じるかもしれませんが、強制解約やブラックにならずに解決できることを考えれば、約3万円の負担で済むのなら方法としては十分検討に値します。

 

ただし、借金を借金で返すと「多重債務」の入り口になりかねないため、慎重な判断が必要です。

【強制解約後】携帯代が払えない場合の解決策

どうしても支払いができず、強制解約になってしまった場合は、弁護士や司法書士に相談し、債務整理を検討しましょう。

強制解約前でも携帯料金そのものを債務整理の対象にする場合は、その回線は強制解約となりますので注意してください。

携帯料金の未払いも債務整理の対象になる?

携帯代の未払いも債務整理できる

携帯料金の未払いも債務整理の対象になります。

 

債務整理には主に任意整理、自己破産、個人再生の3種類があるので、それぞれの手続きについて注意点と併せて具体的にご説明します。

任意整理(最も多く利用される)

任意整理は、債権者との交渉によって「一括請求された料金を分割払いに戻したり」毎月の返済の負担を軽減させる手続きです。

 

債権者の同意が必要ですが、ドコモ・au・ソフトバンクをはじめとして、携帯電話会社のほとんどは任意整理の交渉に協力してくれます。

ただし、次のように通常の金融機関の任意整理とは違う特徴があります。

●携帯料金の任意整理の特徴(カード借金との違い)

携帯キャリア(ドコモ・au・ソフトバンク等)は、消費者金融に比べて分割回数の条件が厳しい傾向にあります。

 

  • 消費者金融や信販会社の場合:36回~60回払いが一般的
  • 携帯会社の場合:10回~36回払い(1年~3年)が上限のケースが多い

 

【大手3社の任意整理の分割回数の傾向】

  • ソフトバンク:10回まで
  • ドコモ:36回~48回まで
  • au(KDDI):60回まで

特にソフトバンクは、複数回線ある場合「分割回数が制限される(例:3回線なら3回払いなど)」ケースがあり、任意整理の条件が非常に厳しい傾向にあります。

個人再生・自己破産(携帯代以外の債務が高額なら)

携帯料金の未払いの他にも借金やリボ払いなどで多額の負債を抱えている場合には、任意整理だけでなく、自己破産・個人再生も検討します。

 

個人再生は、裁判所に申し立てをして、債務総額を5分の1程度に減額した上で、3年の分割払いで返済する手続きです。

自己破産は、裁判所に申し立てをして、債務を全額免除してもらえる手続きです。

携帯料金の任意整理の費用

当事務所では、携帯電話の任意整理の費用も、消費者金融やクレジットカード会社と同じ設定とさせていただいています。

 

みなさまの抱えるトラブルを1件でも多く解決したいという思いから、業界内でも最安値に近い価格設定とさせていただいています。

 

ただし、契約(回線)が複数ある場合は、1回線増えるごとに5000円(税別)が加算されます。

携帯電話の任意整理の費用 通常の任意整理の費用と同じ
ただし、同じ会社で1回線(契約)増えるごとに 5,500円(税込み)を加算

司法書士法人黒川事務所では、あなたの借金問題を低価格で解決するご支援をしています。相談無料で着手金も不要なので毎月100人ほどご依頼いただいております。お困りであればぜひこの機会にご相談ください。

強制解約・任意整理後の携帯の新規契約について

携帯電話・スマホの強制解約によって携帯ブラックになると、新規契約が難しくなります。

しかし、以下の方法によれば、携帯電話・スマホを利用することが可能です。

ブラック明けまで待つ

ブラックが解除されたら契約する

携帯ブラックの状態は永久に続くわけではありません。

不払者情報が削除されると携帯ブラックが解消されるので、その後は携帯電話の契約が可能となります。

 

TCAやTELESAのデータベースに登録された不払者情報は、次のうち、どちらか早い時期に削除されます。

 

  • 未払い金を完済したとき
  • 契約解除から5年が経過したとき

 

携帯料金の未払い債務を任意整理した場合は、和解した金額を完済したときに携帯ブラックが解消されます。

任意整理では繰り上げ返済も可能なので、余裕があれば早期に完済して再契約や新規契約を申し込むこともできるでしょう。

 

自己破産や個人再生をした場合は、未払い金の全部または一部が強制的に免除されるため、完済することができません。

したがって、契約解除から5年間待ってから、再契約や新規契約を申し込むことになるでしょう。

 

また、携帯電話会社の社内データには過去の滞納の情報が残ります。そのため、同じ会社での再契約には応じてもらえない可能性があるため、他の携帯電話会社に新規契約を申し込むようにしましょう。

端末は一括購入する

携帯は現金一括で購入する

携帯ブラックが明けても、金融ブラックが続いている間は携帯電話・スマホの分割購入ができません。

新しい端末が必要な場合は、一括購入をすることになります。

 

金融ブラックが解消されるまでの期間の目安は以下のとおりです。

携帯ブラックの期間よりも長くなっていることに注意が必要です。

(任意整理・個人再生) 完済から5年

(自己破産)破産手続開始決定から7年

家族名義で契約する

携帯電話の名義貸しは、携帯電話不正利用防止法で禁止されており、違反すると罰則があります。

そのため家族名義で契約をして利用者登録をする方法があります。

ブラックでも契約できる通信会社で契約する

最近では、ブラック状態でも通信契約ができる会社もあります。

月額利用料が少し高めですが、契約内容をよく確認して申し込みましょう。

携帯代が払えない場合の任意整理に関するよくある質問

ここでは携帯代が払えない場合の任意整理に関するよくある質問を紹介します。

Q. 携帯料金を任意整理するとスマホを返せと言われますか?

大手キャリアで新規契約や機種変更などで分割購入したスマホ自体には所有権留保(完済まで所有権が会社にあること)が付されていることはほとんどなく、過去に引き上げを要求されたことはありません

 

iPhoneなどをショップや家電量販店、公式サイトなどでペイディやオリコなどで分割ローンを組んで購入している場合は、ローン会社を任意整理すると本体の引き上げは要求されます

Q. 任意整理すると携帯は使えなくなりますか?

携帯電話やスマホを任意整理の対象にすると、対象の携帯電話等は強制解約されるので使えなくなります。

 

携帯会社以外のクレジットカードや消費者金融を任意整理しただけでは、現在利用している携帯電話の契約は無関係なので利用を継続することができます。

Q. 携帯代を任意整理すると別の携帯会社でも新たな契約はできない?

基本的に不可能と考えましょう

携帯電話会社などの通信会社は、ほとんどがTCA(一般社団法人 電気通信事業者協会)という機関に加入しています。

 

ここでは各社の不払い情報が共有されているので、どこかの会社で料金を滞納したら他社にも知られます

 

そこで、携帯電話を任意整理をした場合には和解金額を完済するまで、別の携帯電話会社でも契約は難しくなります。

Q. 携帯の滞納分を任意整理する場合、事前にしておくことはありますか?

強制解約の可能性が出てきた段階で、事前に他社で新規に携帯を契約しておくなど、連絡手段を確保しておきましょう。

 

連絡手段がないと弁護士や司法書士も依頼を受けることが難しくなりますし、債権者も和解に応じないこともあります。

Q. 強制解約を避ける方法はありますか?

他にも借金などの債務がある場合には、携帯料金の未払いを除外して他の債務のみを任意整理します。

 

任意整理を開始すれば、借金の返済は和解が成立するまでストップします。その間に携帯料金の未払い金を支払って滞納を解消すれば、利用を継続できる可能性があります。

Q. 自己破産前に携帯代の未払いを解消してもいいですか?

自己破産の申し立て前に携帯料金の滞納分のみを支払ってしまうと、「偏頗弁済」に該当し、免責不許可事由に該当します。

 

ただし、ごく少額の未払い分であれば、問題とならず免責が許可されるケースも多いです。

 

数ヶ月分の未払い金を申し立て前に支払った場合には問題となりますが、最終的には裁判所の裁量によって免責が許可されることも多いです。

 

偏頗弁済がいくらまで許容されるのかについては、明確な基準があるわけではないので、その判断は難しいのが実情です。

地元の裁判所における運用を熟知している弁護士または司法書士にご相談の上、対応した方がよいでしょう。

 

なお、携帯料金の未払い債務を家族や親戚などの第三者が支払うことは偏頗弁済に当たらず、問題ありません。

できる限り、自己破産をする前に家族や親戚などの協力を得て携帯料金の未払いを解消することをおすすめします。

Q. 個人再生前に携帯の滞納分を解消していいですか?

個人再生では自己破産とは異なり、免責不許可事由はありません。

しかし、偏頗弁済をすると「清算価値保障の原則」により返済額が増える可能性があります。

清算価値保障の原則とは、個人再生では最低限、債務者の保有資産の総額に相当する金額以上を返済しなければならないという原則のことです。

 

たとえば、借金総額が500万円の場合、個人再生をすれば100万円にまで減額できる可能性があります。しかし、総額150万円の資産を保有している場合には、150万円以上を返済しなければなりません。

 

偏頗弁済をした場合、そのお金は本来であれば全債権者に対する返済の引き当てとなるものですから、清算価値(保有資産の総額)に偏頗弁済した金額が加算されます。

 

もっとも、携帯料金の未払いは少額のことが多いので、清算価値保障の原則が問題となることは少ないです。

(まとめ)携帯料金未払いがあるときの債務整理は専門家へ相談を

携帯料金の滞納は、放置すればするほど「遅延損害金の増加」「強制解約」「ブラックリスト」「裁判・差押え」と状況が悪化していきます。

 

強制解約されると仕事や日常生活が著しく不便になります。

突然、強制解約されて困らないためにも、携帯料金の未払いを抱えて債務整理をお考えの際は、早めに弁護士または司法書士に相談することをおすすめします。

 

当事務所には、債務整理に関して豊富な実績がございます。携帯料金未払いのご相談にも対応し、最善の解決方法を提案いたしますので、お気軽にご相談ください。

この記事の執筆者

執筆者 司法書士黒川聡史

黒川聡史(司法書士法人黒川事務所 代表司法書士)

東京司法書士会所属:登録番号第4230号

簡裁代理権認定司法書士:法務大臣認定第501067号

行政書士(登録番号第19082582号)

ファイナンシャルプランナー(CFP®:1級FP技能士)

経歴: 平成19年に個人事務所を開業。債務整理を中心に12,000人以上の依頼者を解決。現在は事務所を法人化して活動

著書に『借金の不安が楽になるお金の話』『FPに知ってほしい借金の話』がある

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代表者 黒川聡史
東京司法書士会所属
簡裁代理権法務大臣認定

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  • 解決した依頼人は12000人以上。現在は年間約1500人の方から依頼(曖昧な相談実績ではなく実際の依頼件数)
  • YouTubeで債務整理をわかりやすく発信(こちら)

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