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自己破産は怖くない?よくある誤解を司法書士が解説

自己破産のメリットを紹介

「自己破産」と聞くと、人生が終わってしまう、財産も家族も失う、二度とまともな生活に戻れない、そんなイメージを持っている方は少なくありません。

 

しかし、その多くは噂や断片的な情報から生まれた「誤解」です。

 

自己破産は、借金で行き詰まった方が生活を立て直すために、法律で認められた正当な手続きです。

正しく仕組みを知れば、「思っていたほど怖くない」と感じていただけるはずです。

 

この記事では、自己破産にまつわるよくある誤解を解説します。

この記事を読んでわかること

  • 自己破産をすると、借金の支払いが免除される
  • 収入が無くても自己破産はできる(法テラスを利用)
  • 自己破産してもすべての財産が没収されるわけではない

「自己破産するとすべて失う」は誤解

「家も預金も全部取り上げられて、無一文になる」と思っている方も多いですが、これは誤解です。

自己破産をしても、手元に残せる財産はあります。

すべての財産を失うわけではない

自己破産で処分の対象になるのは、一定額を超える価値のある財産です。

生活に必要な最低限の財産は「自由財産」として手元に残すことが認められています。

99万円以下の現金は残せる

手元の現金は、99万円以下であれば残すことができます。

ただし、ここでいう「現金」に預貯金は含まれず、預貯金は別の基準で判断されるため注意が必要です。

預貯金や生命保険の解約返戻金、自動車などは、評価額が20万円以下であれば残せる場合があります。

この基準は裁判所ごとに運用が異なります。

生活必需品は処分されない

家具・家電・衣類といった生活に欠かせない財産(差押禁止財産)は、処分の対象になりません。

自己破産をしても、今までどおりの生活道具を使い続けられます。

破産後に得た財産は自由に使える

自己破産の手続き開始後に得た収入や財産(新得財産)は、処分の対象になりません。

手続き後に働いて得たお給料などは、当然ご自身のものです。

「自己破産すると一生ブラックリスト」は誤解

「一度自己破産したら、二度とクレジットカードもローンも使えない」と思っていませんか。これも大きな誤解です。

信用情報に記録が残るのは、一生ではありません。

信用情報は永久に残るものではない

自己破産をすると、信用情報機関に事故情報(いわゆるブラックリスト)が登録されますが、これは一定期間が過ぎれば消えます。

 

ブラックリストは一生残るものではなく、時間の経過とともに必ず回復します。

ブラックは一定期間で回復する

信用情報機関は3つあり、自己破産の記録が残る期間はそれぞれ異なります。

 

CICとJICCは約5年、KSCは7年程度が目安です。

期間が過ぎればクレジットカードやローンも利用できる

記録が消えれば、クレジットカードの新規作成や各種ローンの審査を再び受けられるようになります。

ただし、登録期間が過ぎたからといって、必ず審査に通うわけではありません。

「会社や家族に必ずバレる」とは限らない

「自己破産したことが会社や家族に知られてしまう」という不安も、よく聞かれます。

しかし、必ず知られるわけではありません。

会社に知られるケースは限定的

自己破産をしても、勤務先に裁判所から通知が届くことはありません。

会社からの借入れがある場合などを除き、通常は勤務先に知られずに手続きを進められます。

家族に知られずに進められる場合もある

同居のご家族がいる場合、書類の準備などで知られる可能性は高いですが、別居しているなど状況によっては知られずに進められることもあります。

官報について

自己破産をすると、官報という国の機関紙に氏名が掲載されます。

しかし官報は一般の方が日常的に目にするものではなく、これがきっかけで周囲に知られるケースはほとんどありません。

自己破産をすると取り立てや請求は止まる

借金で苦しい時期に一番つらいのが、毎日のような督促や取り立てです。自己破産の手続きを専門家に依頼すると、これらは止まります。

受任通知で督促が止まる

司法書士や弁護士に自己破産を依頼すると、債権者に「受任通知」が送られます。

これを受け取った債権者は、債務者に直接請求や取り立てをすることが法律で禁止されます。

専門家に依頼した時点で督促から解放されます。

無職や生活保護でも自己破産は可能

「収入がないと自己破産もできないのでは」と思われがちですが、そんなことはありません。

 

任意整理や個人再生は手続き後の返済を前提とするため一定の収入が必要ですが、自己破産は手続き後の返済がないため、無職の方や収入が少ない方でも利用できます。

 

生活保護を受けながら自己破産で借金を整理した方も少なくありません。

費用が用意できない場合は、法テラスの立替制度を利用できることがあります。

自己破産が向いているケース

次のような状況にあてはまる方は、自己破産が解決策になる可能性があります。

 

□ 返済の見込みが立たない

収入や財産から見て、今後も借金を返していく見込みが立たない場合。

 

□ 収入が少ない、または無い

任意整理や個人再生では返済が難しいほど収入が少ない、または無い場合。

 

□ 他の債務整理では解決が難しい

任意整理や個人再生を検討したが、返済の見込みが立たず難しい場合。

 

これらにあてはまるかどうかは、専門家と一緒に確認することができます。

自己破産に関するよくあるご質問

ここではよくあるご質問をご紹介します。

自己破産の最大のメリットは何ですか?

自己破産の最大のメリットは、借金の返済義務が免除されることです。

これにより、すべての借金から解放され、人生を再スタートすることができます。

自己破産は無職や収入の少ない人でも利用できますか?

はい、自己破産は収入がない場合や少ない場合でも利用できます。

他の債務整理手続きとは異なり、手続き後の返済がないため、安定した収入がなくても自己破産を申請することが可能です。

自己破産をすると、債権者からの取り立てや請求はどうなりますか?

自己破産の手続きを開始すると、弁護士や司法書士からの「受任通知」により、債権者からの取り立てや請求は停止します。

また、自己破産の開始が決定されると、強制執行も停止されるため、債権者からの圧力から解放されます。

自己破産をするとすべての財産を失うのですか?

すべての財産を失うわけではありません。例えば、99万円以下の現金や生活必需品など、一部の財産は法律で保護され、残すことができます。

自己破産後の生活はどのように変わりますか?

自己破産後は借金の返済がなくなり、現金のみで生活をすることが基本となります。クレジットカードやローンが利用できないため、これを機に生活を見直し、健全な家計管理を始める良い機会となるでしょう。

自己破産のデメリットをどう考えれば良いですか?

自己破産には確かにデメリット(例えば、信用情報への影響やローンの利用制限)がありますが、その反面、借金から解放される大きなメリットがあります。

自身の状況と照らし合わせて、専門家と相談しながら慎重に判断することが重要です。

まとめ

ここまで見てきたように、自己破産にまつわる「怖い」イメージの多くは誤解です。すべてを失うわけでも、一生ブラックリストが続くわけでも、必ず周囲に知られるわけでもありません。

 

大切なのは、漠然と怖がることではなく、正しく知ったうえで自分に合った解決策を選ぶことです。

 

「自分の場合はどうなるのか」を知るだけでも、不安はずっと軽くなります。一人で抱え込まず、まずは専門家に話を聞いてみましょう。

この記事の執筆者

執筆者 司法書士黒川聡史

黒川聡史(司法書士法人黒川事務所 代表司法書士)

東京司法書士会所属:登録番号第4230号

簡裁代理権認定司法書士:法務大臣認定第501067号

行政書士(登録番号第19082582号)

ファイナンシャルプランナー(CFP®:1級FP技能士)

経歴: 平成19年に個人事務所を開業。債務整理を中心に15,000人以上の依頼者を解決。現在は事務所を法人化して活動

著書に『借金の不安が楽になるお金の話』『FPに知ってほしい借金の話』がある

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