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「自己破産は何回できるのでしょうか?」
「以前にも1度自己破産しているのですが、2回目もできるのでしょうか?」
といったご質問を受けるケースがよくあります。
確かに世間では「自己破産を何度も繰り返すのは難しい」イメージがあるでしょう。
ただ実際には2回目の自己破産も可能です。
ただし、1回目より厳しく審査され、費用も高くなりやすいため、ポイントを押さえた準備が欠かせません。
今回は2回目の自己破産が認められる要件や注意点、免責を受けるためのポイントをご説明します。
この記事を読んでわかること
目 次(更新:2026年5月26日)
8. まとめ
2回目の自己破産の場合、1回目よりも要件が厳しくなります。
以下ではどういった条件を満たせば2回目でも自己破産できるのかみてみましょう。
1つ目の条件は「支払不能」です。
(この条件は、1回目の自己破産と特に変わりません)
支払不能とは、客観的な収入と支出の状況からして、今後債務の支払いが困難といえる状態です。
たとえば手取りの月収は15万円の人が毎月10万円の借金返済義務を抱えていると、通常は支払不能といえるでしょう。
一方、月収が50万円あれば毎月10万円の返済義務を負っていても支払不能とはいいがたくなります。
支払不能かどうかは、収入額と支出額、資産状況などによっても異なるので、個別に判断されます。
2回目以降の自己破産の場合、前回の自己破産時からの「期間経過」が必要です。
具体的には「以前の自己破産で免責決定が確定したとき」から7年が経過していなければなりません。
7年以内に申立をしても「免責不許可事由」に該当してしまいます。
免責が認められなければ借金支払義務が免除されないので、自己破産する意味がありません。
ただし、7年が経過する前であっても、病気で働けなくなった、リストラで職を失ったなど「やむを得ない事情」がある場合は、裁判所の裁量免責が認められる可能性があります。
前回の自己破産から7年が経過している以外にも、免責不許可事由に該当しない状況が必要です。
たとえば浪費やギャンブルなどによって借金すると、免責不許可事由に該当します。財産隠しや債権者隠しも免責不許可事由の一種です。
具体的には、次のようなケースが免責不許可事由にあたります。
これらに該当しても「裁量免責」によって免責される可能性は残されていますが、2回目では裁量免責のハードルも上がります。
特に前回と同じ免責不許可事由がある場合「反省がない」と思われても仕方がないでしょう。
そういったケースでは裁量免責もしてもらえず、借金がそのまま残る可能性が上がり、失敗のリスクが高まります。
以上、2回目の自己破産ができる条件をまとめると、以下のようになります。
おおむね上記の3点を満たしていれば、2回目以降の自己破産も認められやすくなるでしょう。
2回目以降の自己破産を申し立てる際には、以下のような点に注意しましょう。
まずは前回の自己破産時から7年が経過しているか、チェックしましょう。
7年が過ぎていないと免責不許可事由となるので、自己破産の申立をしても免責されないリスクが大きく高まります。
それではせっかく労力と費用をかけて自己破産する意味がありません。
以前の自己破産時の書類を確認するか、なくしていたら取り寄せるなどして年数チェックを行いましょう。
2回目の自己破産では、管財事件になるケースが多数です。
管財事件とは、財産が一定以上ある人や重大な免責不許可事由にある人に適用される複雑な破産手続きです。
破産管財人がついて、破産者に対しさまざまなチェックが行われます。
2回目になると再度免責を受けさせてもよいか、慎重に判断しなければならないので裁判所の判断で管財人をつけられるケースが多くなります。
管財事件になると、債権者集会が開かれるたびに何度も裁判所へ行かねばなりませんし、管財人から呼び出しを受けて現状をチェックされるケースも多くなります。
また、管財予納金がかかるので破産にかかる費用も大幅に増額されるのが一般的です。
1度目の際には同時廃止で簡単に破産手続きを終わらせた方でも、2回目になると管財事件になって負担が重くなると考えましょう。
2回目の自己破産では、1回目よりも免責について厳しく判断されると考えるべきです。
なぜ何度も借金を繰り返してしまったのか疑問を持たれるので、適切に説明しなければなりません。
特に免責不許可事由がある場合には厳しい見方をされるでしょう。
2回目の自己破産を認めてもらうには、免責不許可事由がないことや、あっても裁量免責すべき事情を相当説得的に主張する必要があります。
2回目の自己破産では、1回目と借金の原因が同じかどうかも大きなポイントになります。
たとえば、1回目もギャンブルが原因で、2回目もまたギャンブルで借金を作ってしまった場合、裁判所からは「同じ過ちを繰り返している」「反省していない」と受け取られやすくなります。
一方で、1回目は事業の失敗、2回目は病気で働けなくなったなど、原因がまったく異なる場合は、やむを得ない事情として比較的好意的に判断されやすい傾向があります。
前回と同じ理由(特にギャンブル・浪費・投資の失敗など)で再び借金を作ってしまった場合は、裁量免責もハードルが上がり、免責不許可となるリスクが高まります。
借金の原因をごまかさず、事実を整理したうえで、なぜ繰り返してしまったのか、今後はどう防ぐのかをセットで説明できる準備が大切です。
2回目の自己破産では、管財事件になりやすいぶん費用も高くなります。
ここでは、手続きの種類ごとの費用目安と、専門家費用の相場をご説明します。
なお、実際の金額は裁判所や事務所によって異なりますので、正確な金額は依頼先の事務所にお見積もりを取って確認していただくのが確実です。
2回目でも、財産がほとんどなく免責不許可事由も特に問題にならないと判断されれば、まれに同時廃止になることがあります。
同時廃止の場合の裁判所へ納める費用の目安は次のとおりです(金額は裁判所により異なります)。
合計でおおむね2万円前後で済むケースが多く、後述する管財事件と比べると大幅に安くなります。
弁護士に代理人として依頼して申立を行う場合、多くの裁判所で「少額管財」という簡易な管財手続きが利用できます。
2回目の自己破産で管財事件になるケースのうち、多くはこの少額管財で進められます。
合計で22万円前後が目安です。
司法書士は破産手続の代理人にはなれないため、司法書士に依頼した場合は書類作成支援のみとなり、少額管財は適用されません。
通常管財事件として扱われ、予納金が大幅に増額されます。
財産が多い、本人申立や司法書士関与のケースでは「通常管財」になることがあります。
予納金は分割で積み立てができる裁判所もあるものの、まとまった現金が必要です。
自己破産の場合は手元資金が乏しいことも多いため、申立前から専門家と相談し、無理のない費用計画を立てておくことが、手続きを最後までやり遂げるカギになります。
専門家へ支払う費用の相場は、事務所によって幅がありますが、おおよそ次のような水準が一般的です。
2回目の自己破産は管財事件になるケースが多く、少額管財の費用を考慮すると司法書士より弁護士に依頼する方が、結果的に費用が安くスムーズに手続きが進むケースが多いです。
2回目の自己破産で免責を受けるため、以下のように対処しましょう。
まずは借金を繰り返してしまった事情の説明が必要です。
以前に免責を受けてからどういった経緯で借金が増えてきたのか、免責不許可事由も意識しながら陳述書にわかりやすく記載しましょう。
やむを得ない事情であれば免責を受けやすくなるものです。
必要な弁明も行いながら適切な内容の報告をしましょう。
免責の判断では「経済的に更生できるのか」も重視されます。
すなわち、今後は借金をせずに立ち直って1人でもやっていけるのかという点が重要です。
更生できないなら、免責を受けさせる意味がありません。
きちんと反省し、今後はどのようなことに気をつけて借金しないようにするのかなど、裁判所や管財人へわかりやすく伝えましょう。
財産隠しや債権者隠しは免責不許可事由に該当するので、絶対にしてはいけません。
財産を失いたくなくても、正直に全部申告しましょう。
裁判所や管財人の指示にはきちんと従うべきです。協力しないこと自体が免責不許可事由になっているからです。
誠実に対応していれば印象もよくなり、免責決定を得られやすくなるでしょう。
2回目の自己破産の場合、どうしても免責を受けられないケースがあります。
その場合、自己破産にこだわらず他の債務整理を利用して借金問題を解決しましょう。
将来利息のカットや返済期間の延長によって月々の返済額を圧縮する手続きです。
カードや消費者金融などが借入の中心である場合に効果的で、財産を残せて家族や勤務先に知られにくいというメリットがあります。
ただし元本そのものはほぼ減らないため、収入と返済可能額のバランスが取れるかをよく検討する必要があります。
回数や期間の制限もないので、以前に自己破産をしていても利用できますし、免責不許可事由に該当する制限もありません。
住宅を残したまま借金を大きく圧縮できる手続きです。
住宅ローン返済中であれば個人再生が適しているケースが多々あります。
減額後の返済額(最低弁済額)は、借金総額に応じて民事再生法231条で定められています。
たとえば借金500万円超〜1500万円以下のケースでは原則として5分の1まで、3000万円超〜5000万円以下のケースでは原則として10分の1まで圧縮される可能性があります(債務総額や清算価値などにより実際の弁済額は変動します)。
ただし、安定した収入があり、減額後の借金を3〜5年で支払える見通しが必要です。
自己破産と違って財産もなくなりませんし、免責不許可事由の制限もありません。
自己破産は最後の手段であり、債権者にも迷惑をかける行為であることは間違いありません。
同じ過ちを繰り返さないためには、根本的な生活や金銭管理の見直しが必要です。
以下では、具体的な対策を5つのポイントに分けて解説します。
収支を正確に把握することで、浪費や無駄遣いを減らし、健全な家計管理が可能になります。
月々の収支を放置していると、知らないうちに支出が膨らみ、再び借金に依存する生活に戻る危険があります。
具体的対策
日々の収支を記録する手間を減らし、支出の傾向を簡単に分析できます。
家賃、光熱費、通信費などの固定費をチェックし、安いプランに切り替えるなどの工夫をする。
節約を意識しながら、無理のない範囲で支出を削減します。
予期せぬ出費が発生したとき、十分な貯蓄があれば借金に頼らずに済みます。
自己破産後に特に重要なのは、貯蓄をする習慣を身につけることです。
いざというときのために、毎月数千円からでも貯蓄を始める。
目標を定めることで継続することができます。まずは給料3か月分を目標に貯金を積み上げましょう。
借金を繰り返す人は、クレジットカードやキャッシングに頼りすぎていることが多いです。
クレジットカードの使いすぎは、現金感覚が麻痺し、再び借金生活へ戻る最大のきっかけになります。
支出をコントロールし、現金主義に切り替えることで借金のリスクを回避できます。
クレジットカードを必要最小限に抑える、または解約する。
欲しいものがあれば、先にお金を貯めて購入する習慣をつける。
収入が少ないと、生活費や予期せぬ支出に対応する余裕がなくなり、借金を招く原因になります。
自己破産後は、収入を増やすための努力を惜しまないことが重要です。
自分のスキルを活かせる職場を探す、副業で少しでも収入を増やす努力をする。
お金に関する本を読んだり、借金や投資のリスクを正しく理解する。
浪費やギャンブルで借金を増やす方も多くいらっしゃいます
それがきっかけで自己破産を余儀なくされるケースもあります。
これらの習慣を改善することで、自己破産の再発を防ぐことができます。
無駄な買い物や高額な趣味は計画的に行いましょう。
必要なら専門機関のサポートを受け、健全な生活習慣を取り戻す努力をする。
2回目以降の自己破産を成功させるには、1回目とは異なる慎重な対応を要求されます。
たとえば、免責不許可事由がないことや、あっても裁量免責すべき事情を裁判所に納得してもらえるように対応する必要があります。
これには代理人として関与できる弁護士が適しています(司法書士は裁判所提出書類作成として関与するので、代理人として裁判官や管財人に対応することができません)。
そして、管財事件になっても、弁護士に依頼している場合は少額管財という手続きが利用可能です。
少額管財は通常の管財事件に比較して予納金が低くなります(司法書士事務所では少額管財が適用されず通常管財事件になります)。
以上のことから2回目の自己破産は弁護士に相談されるのがよいでしょう。
前回の自己破産から数十年の長期間が経過している場合には、長期間にわたり経済的更生を果たしたことが推認されるため、一度目の自己破産の影響は軽微で、同時廃止の可能性も高まります。
黒川聡史(司法書士法人黒川事務所 代表司法書士)
東京司法書士会所属:登録番号第4230号
簡裁代理権認定司法書士:法務大臣認定第501067号
行政書士(登録番号第19082582号)
ファイナンシャルプランナー(CFP®:1級FP技能士)
経歴: 平成19年に個人事務所を開業。債務整理を中心に15,000人以上の依頼者を解決。現在は事務所を法人化して活動
著書に『借金の不安が楽になるお金の話』『FPに知ってほしい借金の話』がある
司法書士法人黒川事務所は、債務整理(任意整理・時効援用)などを専門に扱う司法書士事務所です。これまでに19年以上の実績があり15,000人以上を解決に導きました。
企業理念は『あなたの借金問題解決を低料金でサポートしたい!』です。
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代表者 黒川聡史
東京司法書士会所属
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