平日10時~19時30分
土日10時~17時00分
(祝日休み)
パチンコや競馬などのギャンブルにのめり込んでコントロールがきかなくなり、多額の借金を背負ってしまったら...。多額の借金を背負うと生活が苦しくなり、自己破産を検討しなければなりません。
ただし、自己破産は借金の原因によって認められないケースがあります。
「ギャンブルが原因の借金は自己破産できないって聞いたけど...」「ギャンブルでできた借金でも自己破産できるケースはあるの?」といった悩みや疑問はありませんか?
この記事では、ギャンブルの借金は自己破産できるのかをはじめ、裁量免責の概要や自己破産が難しい場合の対処法について解説します。
この記事を読んでわかること
借金の原因がギャンブルの場合、基本的に自己破産はできないといわれています。
ギャンブルの借金は「免責不許可事由」に該当し、借金の返済を免れることができないためです。
ただし、免責不許可事由に該当しても自己破産できるケースがあります。
自己破産の申し立てをしても、免責不許可事由に該当すると借金の返済義務はなくなりません。
法律上では、借金の返済を免れることを「免責」といいます。「免責不許可事由」とは、裁判所が免責を認めないと定めた事由のことです。
破産法252条1項では、免責不許可事由について以下のように記載されています。
"裁判所は、破産者について、次の各号に掲げる事由のいずれにも該当しない場合には、免責許可の決定をする。
1 債権者を害する目的で、破産財団に属し、又は属すべき財産の隠匿、損壊、債権者に不利益な処分その他の破産財団の価値を不当に減少させる行為をしたこと。
2 破産手続の開始を遅延させる目的で、著しく不利益な条件で債務を負担し、又は信用取引により商品を買い入れてこれを著しく不利益な条件で処分したこと。
3 特定の債権者に対する債務について、当該債権者に特別の利益を与える目的又は他の債権者を害する目的で、担保の供与又は債務の消滅に関する行為であって、債務者の義務に属せず、又はその方法若しくは時期が債務者の義務に属しないものをしたこと。
4 浪費又は賭博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと。
5 破産手続開始の申立てがあった日の一年前の日から破産手続開始の決定があった日までの間に、破産手続開始の原因となる事実があることを知りながら、当該事実がないと信じさせるため、詐術を用いて信用取引により財産を取得したこと。"
ギャンブルの借金は「4 浪費又は賭博その他の射幸行為」に該当します。
例えば、パチンコや競馬などのギャンブルをはじめ、宝くじ、FX取引、先物取引などがあげられます。
ギャンブルでできた借金は免責不許可事由に該当するため、基本的には自己破産できません。
免責不許可事由に該当しても、自己破産が認められるケースがあります。
ギャンブルの借金などのように免責不許可事由に該当する場合、裁判所から裁量免責を認めてもらうことで自己破産ができるようになります。
裁量免責が認められる基準やケースについては、以下で詳しく説明していきます。
裁量免責は、免責不許可事由に該当する場合でも、裁判所の判断によって免責を認めてもらうことをいいます。
破産法252条2項では、裁量免責について以下のように記載されています。
"前項の規定にかかわらず、同項各号に掲げる事由のいずれかに該当する場合であっても、裁判所は、破産手続開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考慮して免責を許可することが相当であると認めるときは、免責許可の決定をすることができる。"
つまり、ギャンブルでできた借金であっても、裁判所が事情を考慮して柔軟に免責を認めてもらえる場合があります。
裁量免責は、裁判所から経済的に更生できると判断された場合に認められる制度です。
破産法第1条では、自己破産の目的について以下のように記載されています。
"この法律は、支払不能又は債務超過にある債務者の財産等の清算に関する手続を定めること等により、債権者その他の利害関係人の利害及び債務者と債権者との間の権利関係を適切に調整し、もって債務者の財産等の適正かつ公平な清算を図るとともに、債務者について経済生活の再生の機会の確保を図ることを目的とする。"
多額の借金を背負っている人に対して「免責不許可事由に該当している」という理由だけで免責を認めない場合、上記の「経済生活の再生の機会の確保を図る」という目的から外れてしまいます。
裁量免責の判断の際に重視されるポイントは、「本人が反省しているか」「経済的な更生が見込めるか」などがあげられます。
つまり、裁判所の基本的な方針は、生活の再生の機会を与えるために、よほどのことがない限りは免責を認めるというものです。
破産法では、裁量免責を認める基準について「破産手続開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考慮して免責を許可することが相当であると認めるとき」と定められています。
つまり、裁量免責が認められる基準は、明確に定められているわけではありません。
文字通り、裁判所の裁量によって免責を認めるかどうかが判断されます。
日本弁護士連合会が発表した「2020年破産事件及び個人再生事件記録調査」によると、2000年以降、免責が認められなかった割合は1%未満で推移しています。
つまり、ギャンブルの借金など「免責不許可事由」に該当する場合でも、ほとんどのケースで裁量免責が認められています。
この1%未満という数字は、ギャンブルなどの不許可事由の程度が大きすぎて、免責不許可の可能性が高いと判断される場合、弁護士が申立前に破産以外の債務整理を勧めたり、申立後に裁判所から免責不許可の可能性が高いことを暗示されて自発的に申立てを取り下げているという側面もあるので、鵜呑みにすることはできませんが、
それでも少なくない数が裁量免責されているのが実情と言えるでしょう。
ただし、無条件で裁量免責が認められるわけではありません。「返済の意志がなく借り入れをした」「虚偽の申告をした」といったケースでは、免責が認められない可能性があります。
万が一裁量免責が認められない場合は、「即時抗告」をすることができます。即時抗告とは、裁判所が裁量免責を認めなかった場合に行う異議申し立てのことをいいます。
ギャンブルの借金が原因で自己破産を申し立てる場合、通常よりも手続きが複雑になり、費用が高くなることがあります。この点は事前に把握しておきましょう。
自己破産の手続きには、「同時廃止事件」と「管財事件」の2種類があります。
同時廃止事件とは、申立てと同時に手続きが終了するシンプルな方法です。財産がほとんどなく、免責不許可事由がない場合に適用されます。
一方、管財事件とは、「破産管財人」と呼ばれる弁護士が選任され、財産の調査・処分や免責の調査を行う手続きです。借金の内容がギャンブルが大半であると免責不許可事由に該当するため、管財事件として処理される可能性が高くなります。
管財事件になると、手続きにかかる費用(裁判所への予納金)が同時廃止事件よりも高くなります。
目安として、同時廃止事件では1〜3万円程度なのに対し、管財事件では20万円以上かかることが一般的です。
管財事件として手続きが進む場合、破産管財人が選任され、以下のような調査が行われます。
・財産の調査・換価処分(現金化)
・借金の経緯や使途の確認
・免責を認めてよいかどうかの調査・意見書の作成
破産管財人の調査に対しても、誠実に対応することが求められます。虚偽の説明や書類の隠匿は、免責が認められない原因になるため絶対に避けてください。
裁量免責が認められるケースは以下のとおりです。
ギャンブルの借金について裁量免責を認めてもらうには、弁護士や司法書士などの専門家へ相談しましょう。
自分で手続きすることも可能ですが、申立書の内容や必要書類をはじめとする手続きの手順が非常に複雑なため、自分で行うのはおすすめできません。
債務整理を専門とする事務所であればスムーズに手続きを行ってくれるため、お近くの弁護士事務所・司法書士事務所に相談しましょう。
裁量免責を認めてもらうためには、申立時点でギャンブルをやめていることが重要です。
手続き中にギャンブルを続けていると、「反省していない」と判断され、裁量免責が認められにくくなります。
弁護士・司法書士に相談した時点から、ギャンブルは完全にやめることが、裁量免責に向けた第一歩です。
「やめようとしているが、まだやめられていない」という状態でも、専門家に正直に相談することが大切です。
ギャンブル依存症のような場合は、専門の相談機関(ギャンブル依存症相談窓口など)への通院を続けることで、治療への取り組みとして裁量免責の判断材料にプラスに働く場合もあります。
裁量免責が認められるには、本人が誠実な対応をしているかが重視されます。
例えば、「手続きに非協力的である」「虚偽の申告をしている」「自分に不利益な事実を隠そうとしている」などといった対応をすると、裁量免責が認められないケースがあります。
手続きを進めるにあたっては専門家や裁判所の指示に従い、誠実な対応を心がけましょう。
裁量免責を認める際には、本人が深く反省しているか否かも重要なポイントです。
本当に反省しているのかを確認するために、反省文の提出を求める裁判所もあります。免責不許可事由に該当し、判断材料が必要な場合に反省文の提出が求められる傾向にあります。
反省文は、「借金をした理由」「自己破産をする理由」「債権者や周囲に対する謝罪と反省」「今後の生活改善の展望」などのポイントをおさえて書きましょう。
▷ 反省文のポイントと例文
反省文を書く際のポイントは以下のとおりです。
【例文】
「私は〇〇年頃からパチンコを始め、最初は娯楽のつもりでしたが、徐々に依存するようになり、生活費や借入金をギャンブルに充てるようになってしまいました。その結果、多額の借金を抱えることになり、債権者の皆様および家族に多大なご迷惑をおかけしてしまいました。心よりお詫び申し上げます。現在はギャンブルを完全にやめており、今後は二度とこのような事態を招かないよう、堅実な生活を送ることをお誓い申し上げます。」
上記はあくまでも例文です。
実際に提出する際は、ご自身の状況に合わせた内容でご自身の言葉で書き直してください。
依頼している弁護士・司法書士が添削・アドバイスを行ってくれますので、一人で悩まずにご相談ください。
ギャンブルの借金について裁量免責を認めてもらうには、必ず正確な情報を伝えましょう。
破産法252条では、以下のように記載されています。
"裁判所は、破産者について、次の各号に掲げる事由のいずれにも該当しない場合には、免責許可の決定をする。
8 破産手続において裁判所が行う調査において、説明を拒み、又は虚偽の説明をしたこと。"
つまり、手続きを進めていくうえで虚偽の申告をすると、それだけで免責不許可となってしまいます。
例えば、「手持ちの財産を隠すような行為をする」「嘘の借金内容を報告する」といった行為はNGです。
前述のとおり、裁量免責が認められなかった割合は1%未満と大変レアなケースです。万が一免責が認められず、自己破産が難しい場合の対処法は以下のとおりです。
・即時抗告をする
・任意整理をする
・個人再生をする
即時抗告とは、裁判所で判断された免責不許可の決定に対して不服の申し立てをして、再度判断してもらう方法です。
即時抗告は、免責不許可の決定書が裁判所から送達されてから1週間以内に申し立てをする必要があります。
ただし、裁判所は十分な証拠や理由を考慮したうえで免責不許可の決定をしていることから、即時抗告で判断を覆すことは大変難しいといわれています。
自己破産が難しい場合の選択肢として、任意整理も検討しましょう。
任意整理とは、弁護士や司法書士が債権者と交渉し、将来発生する利息のカットや返済計画の見直しを行う手続きです。裁判所を介さずに進めるため、手続きがシンプルで費用も比較的安く抑えられます。
ただし、任意整理は借金の元本を減額するものではないため、返済できる程度の収入があることが条件になります。
任意整理では返済できない場合は、個人再生を検討しましょう。
個人再生とは、裁判所で行う手続きで、借金の一部を返済した上で残りを免除してもらうものです。
借金の一部を原則3年間で支払うことを条件に、利息だけでなく借金の元本も減額(目安は5分の1)することができます。
ただし、個人再生は一定の収入があるなどの条件があるため注意が必要です。
この記事では、ギャンブルの借金は自己破産できるのかをはじめ、裁量免責の概要や自己破産が難しい場合の対処法について解説しました。
ポイントは以下の5つです。
借金問題は、一人で抱え込まずにまず専門家に相談することが、解決への第一歩です。ギャンブルが原因でも諦める必要はありません。
当事務所では、業界トップクラスの低料金で借金問題解決のサポートをしております。まずはお気軽にご相談ください。
黒川聡史(司法書士法人黒川事務所 代表司法書士)
東京司法書士会所属:登録番号第4230号
簡裁代理権認定司法書士:法務大臣認定第501067号
行政書士(登録番号第19082582号)
ファイナンシャルプランナー(CFP®:1級FP技能士)
経歴: 平成19年に個人事務所を開業。債務整理を中心に15,000人以上の依頼者を解決。現在は事務所を法人化して活動
著書に『借金の不安が楽になるお金の話』『FPに知ってほしい借金の話』がある
司法書士法人黒川事務所は、債務整理(任意整理・時効援用)などを専門に扱う司法書士事務所です。これまでに19年以上の実績があり15,000人以上を解決に導きました。
企業理念は『あなたの借金問題解決を低料金でサポートしたい!』です。
業界トップクラスの安い費用であなたの借金問題解決を全力でサポートします!
もちろん相談無料で費用は分割払いにも対応しています。
司法書士法人黒川事務所
代表者 黒川聡史
東京司法書士会所属
簡裁代理権法務大臣認定
平日10時~19時30分 /土日10時~17時00分 (祝日休み)いつでもお気軽にお電話ください。
司法書士法人黒川事務所
平日10時~19時30分
土日10時~17時00分
(祝日休み)
(新宿オフィス 新宿駅7分)
東京都新宿区新宿2丁目5-1 アルテビル新宿7階