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無職の借金は債務整理で解決できる?任意整理と自己破産の選択基準を解説

無職の方の債務整理の方法

無職で借金が返せず、「どうすればいいのか分からない」と不安になっていませんか?


実は、無職で収入がない場合、金融機関から新しくお金を借りることはほぼできません。


しかし、借金を減らしたりゼロにしたりする「債務整理」という解決方法があります。

 

この記事では、
・無職でもお金を借りられるのか
・借金を放置するとどうなるのか
・収入がない人でも使える債務整理
を司法書士の視点でわかりやすく解説します。

この記事を読んでわかること

  • 将来的な収入見込みがなければ自己破産を選択
  • 近々、就職する予定(アルバイトでも)があれば任意整理も可能
  • 生活保護中だと任意整理の和解に応じてもらえない
  • 法テラスの法律扶助制度を検討して費用負担を軽減

無職でも借金できる?

無職の方が銀行や消費者金融から新規に借り入れを行うことは困難です。

金融機関からの借り入れが制限される理由

貸金業法(第13条の2)に基づき、消費者金融などの貸金業者は、利用者の年収の3分の1を超える貸し付けを禁止されています(総量規制)。

 

無職で年収がゼロの場合、この規定により原則として新規の借り入れはできません。

 

また、金融機関は審査において「返済能力」を最重視します。

安定した収入がない状態では、返済の原資が確保できないと判断され、審査を通過することはありません。

違法な融資に注意

インターネットやSNS上で見かける「無職でも融資可能」「審査なし」といった文言は、法律を守らない闇金や個人間融資の掲示板である可能性が高いです。

 

これらを利用すると、法定金利(年20%)を大幅に超える利息を請求され、状況はさらに悪化します。決して利用してはいけません。

無職でも利用できる公的支援制度

生活が困窮している、あるいは求職中である場合には、国や自治体の支援制度を検討してください。

これらは借金返済の原資にはできませんが、生活を立て直すための手段です。

生活に困窮している場合

各市区町村の社会福祉協議会が窓口となる制度です。低所得者世帯に対し、生活再建に必要な資金を低利子、または無利子で貸し付けます。

  • 生活保護

憲法25条の「生存権」に基づき、最低限度の生活を保障する制度です。借金がある状態でも申請は可能ですが、受給した保護費を借金の返済に充てることは認められていません。

求職活動中の場合

雇用保険を受給できない方が、職業訓練期間中に月額10万円の手当と通所手当を受給できる制度です。

職業訓練受講手当を受給しても生活費が不足する場合に、労働金庫(ろうきん)から融資を受けられる制度です。

借金を放置するとどうなる?

借金を返さない状態が続くと、債権者は段階的に回収手続きを進めます。

一般的な流れは次のとおりです。

経過期間 発生する事態 内容
1日~ 遅延損害金の発生 年率14.6%〜20.0%程度の損害金が加算される。
数日~1ヶ月 電話・郵便による督促 本人宛に支払いの催促が行われる。
2か月~ 期限の利益の喪失 分割払いの権利を失い、残債務の一括返済を請求される。
2か月~ 信用情報への登録 いわゆるブラックリスト。新規ローンやカード利用が不可となる。
3ヶ月~ 裁判・差し押さえ 裁判所を提起され、判決後に預金口座などに強制執行(差し押さえ)がされる

無職・収入ゼロでも解決できる「債務整理」

「収入がないから債務整理はできない」のではなく、無職の方こそ債務整理によって借金問題を解決すべきです。

自己破産

今後も収入を見込めない場合は自己破産

今後も安定した収入が見込めない場合、第一の選択肢は「自己破産」です。

 

裁判所に申立を行い、支払不能であることを認めてもらうことで、全ての借金の支払い義務を免除(免責)してもらう手続きです。

無職や生活保護受給者であれば、客観的に「支払不能」と認められやすく、手続きがスムーズに進む傾向にあります。

 

ただし、一定以上の価値がある財産(20万円以上の資産など)は処分され、債権者に配分されます。

任意整理

就職して返済原資を確保できれば任意整理も可能

裁判所を通さず、司法書士や弁護士が債権者と直接交渉し、将来利息のカットや分割払いにしてもらう手続きです。

無職でも以下の条件を満たせば、任意整理が可能です。

 

  • 就職予定がある:近々仕事が決まっており、3年〜5年程度の分割返済を継続できる見込みがある。
  • 第三者の援助がある:親族などが本人に代わって返済資金を提供できる。
  • 年金受給者:年金という安定した収入があり、そこから返済が可能である。

 

ただし、返済が困難な状況で無理に任意整理を選択すると、後に再度支払いができなくなり状況が悪化します。慎重に判断しましょう。

生活保護受給中の債務整理

生活保護受給者の場合の債務整理は自己破産

生活保護を受給している場合、選択できる債務整理は「自己破産」のみとなります。

 

生活保護費は生活基盤を支えるためのものであり、返済に充てることは想定されていません。そのため任意整理を行うことは難しいケースがほとんどです。

 

また、生活保護を返済に使用すると、支給停止のリスクがあるうえ、債権者も生活保護費を返済原資とする和解に応じない場合が多いです。

費用負担を軽減するために「法テラス」を利用する

専門家への費用が払えないという場合は、「法テラス(日本司法支援センター)」の民事法律扶助制度を利用します。

制度のメリット

  • 相談料が無料

同一問題について3回まで無料で法律相談が受けられます。

  • 費用の立て替え

弁護士・司法書士費用を法テラスが一時的に立て替えます。

分割払い:立て替えられた費用は、月額5,000円〜10,000円程度の分割払いで返済します。

  • 償還免除(生活保護受給者のみ)

生活保護受給中の場合、手続き終了後に返済そのものが免除される仕組みがあります。

 

無職の方は収入要件を満たすことが多いため、この制度を利用することで実質的な初期費用ゼロで手続きを開始できます。

借金問題解決のためのNG行動

借金返済できない焦りから以下の行動を取ってしまうと、借金解決を難しくする場合があります。

  • 返済のために別の所から借りる

利息負担が増えるだけの「自転車操業」は、債務総額を膨らませるだけで解決にはなりません。

  • クレジットカードの現金化

カードで購入した商品を売却して現金を得る行為は、自己破産時の「不当な債務負担」とみなされ、免責が認められないリスク(免責不許可事由)となります。

まとめ

無職で借金を抱えている状況は、個人の努力だけで抜け出すことは非常に困難です。

しかし、債務整理の手続きは「返済できない人を救済し、再出発させる」ために存在します。

 

  • 就職予定がない、または生活保護受給中なら「自己破産」

  • 今後は安定した収入の見込みがあるなら「任意整理」

 

借金問題は、早く相談するほど選択肢が広がります。
無職で収入がない場合でも、自己破産などによって借金をゼロにできる可能性があります。
一人で悩まず、まずは専門家に状況を相談してみてください。

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この記事の執筆者

執筆者 司法書士黒川聡史

黒川聡史(司法書士法人黒川事務所 代表司法書士)

東京司法書士会所属:登録番号第4230号

簡裁代理権認定司法書士:法務大臣認定第501067号

行政書士(登録番号第19082582号)

ファイナンシャルプランナー(CFP®:1級FP技能士)

経歴: 平成19年に個人事務所を開業。債務整理を中心に12,000人以上の依頼者を解決。現在は事務所を法人化して活動

著書に『借金の不安が楽になるお金の話』『FPに知ってほしい借金の話』がある

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